一九九六年十一月十三日から十六日まで、秋田県秋田市に出張し、秋田県公文書館及び秋田市立佐竹史料館で調査を行った。この調査は、近世編年史料に必要な史料の所在調査を目的とするもので、従来調査の行き届いていない東北地方から順に出張して、関係史料を蒐集することを目的とする。
１ 秋田県公文書館
秋田県公文書館には、旧秋田藩佐竹家の藩政史料である「佐竹文庫」（五七九六点）および旧秋田藩士の旧蔵史料が多数収蔵されている。今回は、近世前期の藩主の家譜、および参勤交代・儀礼などを中心とした幕藩関係史料をマイクロフィルムで撮影した。以下に撮影目録を掲げる。
一、江戸登道中音信帳 一冊
一、御入部御先例書抜 一冊
一、寛文十二年御家督之御祝儀御広間ニ而御請被成次第 一冊
一、梅津半右衛門忠宴日記抜書 一冊
一、他より来る音信帳 一冊
一、寛文十年御参勤之時御進物帳 一冊
一、重陽之御祝儀自他帳 一冊
一、御鷹進上之帳 一冊
一、寛文十年鮭塩引之帳 一冊
一、歳暮之御祝儀自他之帳 一冊
一、年頭自他御礼帳 一冊
一、義方公江戸登日記 一冊
一、寛文十二年御日記抄 一冊
一、家格申出控 一冊
一、秋田藩名家家譜 一冊
一、天英公・鑑照公御書写 向右近・梅津半右衛門献 一冊
一、鑑照院殿御書写 梅津半右衛門忠宴家蔵 一冊
一、義處公御事跡 一冊
一、佐竹第二十三世 義處家譜 上 一冊
一、佐竹第二十三世 義處家譜 中 一冊
一、佐竹第二十三世 義處家譜 下 一冊
一、佐竹第二十四世 義格家譜 上 一冊
一、佐竹第二十四世 義格家譜 下 一冊
一、佐竹第二十六世 義真家譜 一冊
一、佐竹第二十七世 義明公家譜 上 一冊
一、佐竹第二十七世 義明公家譜 下 一冊
一、佐竹第二十世義重家譜 上 一冊
一、佐竹第二十世義重家譜 中 一冊
一、佐竹第二十世義重家譜 下 一冊
２ 佐竹史料館
秋田市立佐竹史料館には、秋田藩佐竹家初代藩主義宣．二代義隆書状を中心として、歴代藩主書状類が多数収蔵されている。このうちには、向右近・梅津半右衛門等初期の佐竹氏重臣に宛てられたものを多く含む。これらの書状のうち初期を中心とした部分は、藩政期に写が作られ、前述佐竹文庫内の諸編纂物にも引用されている。今回は、同館の御好意により、歴代藩主書状等八十一通をマイクロフィルムに撮影させていていただいた。また同館寄託中の佐竹義重宛豊臣秀吉朱印状二通（大日向孝氏所蔵）も所蔵者の許可を得て撮影させていただいた。伊藤康夫館長・中田好彦主席主査のご配慮に感謝したい。撮影した館蔵史料は以下の通りである。
一、佐竹義峯和歌詠草 一通
一、明治二三年一月一六日佐竹義脩書状 長瀬直清宛 一通
一、六月二日佐竹義隆書状 梅津半右衛門宛 一通
一、二月一八日佐竹義宣書状 向右近宛 一通
一、（元和二年）四月一五日佐竹義宣書状 梅津半右衛門・向右近宛 一通
一、（寛永五年）七月二三日佐竹義宣書状 梅津半右衛門・小場源左衛門宛 一通
一、延享二年六月二四日佐竹義峯書付（財用向） 一通
一、八月八日佐竹義處書状 梅津半右衛門宛 一通
一、（慶長一八年）四月一五日佐竹義宣書状 向右近宛 一通
一、（元和三年）一〇月一四日佐竹義宣書状 梅津半右衛門・向右近宛 一通
一、（元和三年）一〇月二七日佐竹義宣書状 向右近宛 一通
一、正月二四日佐竹義宣書状 梅津半右衛門宛 一通
一、五月六日佐竹義宣書状 小鷹利飛〓守宛 一通
一、（慶長一八年）四月一九日佐竹義宣書状 向右近宛 一通
一、（元和二年）三月一五日佐竹義宣書状 向右近宛 一通
一、（元和二年）五月二日佐竹義宣書状 梅津半右衛門・向右近宛 一通
一、（元和三年）一〇月一六日佐竹義宣書状 向右近宛 一通
一、（天正一八年）一二月二四日佐竹義宣書状 向右近宛 一通
一、（元和二年）四月五日佐竹義宣書状 梅津半右衛門・向右近宛 一通
一、（元和二年）四月一五日佐竹義宣書状 梅津半右衛門・向右近宛 一通
一、（元和二年）四月一九日佐竹義宣書状 梅津半右衛門・向右近宛 一通
一、（元和二年）四月二二日佐竹義宣書状 梅津半右衛門・向右近宛 一通
一、（元和二年）五月三日佐竹義宣書状 梅津半右衛門・向右近宛 一通
一、（元和三年）一一月五日佐竹義宣書状 向右近宛 一通
一、（元和四年）閏三月一六日佐竹義宣書状 向右近宛 一通
一、一二月一九日佐竹義宣書状 向右近宛 一通
一、（元和四年）閏三月二〇日佐竹義宣書状 向右近宛 一通
一、七月二日佐竹義宣書状 梅津半右衛門宛 一通
一、（元和二年）三月二四日佐竹義宣書状 梅津半右衛門・向右近宛 一通
一、六月二四日秋田藩主書付 老寄中宛 一通
一、七月二五日秋田藩主書付 老寄中宛 一通
一、六月八日秋田藩主書付 老寄中宛 一通
一、正月二八日秋田藩主書付 老寄中宛 一通
一、正月二九日秋田藩主書付 老寄中宛 一通
一、八月八日秋田藩主書付 老寄中宛 一通
一、七月二四日秋田藩主書付 老寄中宛 一通
一、（延享二年）六月二四日佐竹義峯書付（財用向） 一通
一、九月二七日佐竹義真書状 掃部助・内匠宛 一通
一、（明和九年）三月二一日佐竹義敦書状 向庄九郎宛 一通
一、九月日秋田藩主書付 老寄共宛 一通
一、七月一五日佐竹義宣書状 梅津半右衛門宛 一通
一、（安永三年正月二六日）佐竹義敦書付 一通
一、（安永六年五月八日）佐竹義敦書付 向飛〓宛 一通
一、六月一八日佐竹義隆書状 須田伯耆・佐藤源右衛門宛 一通
一、九月二六日佐竹義敦書状 大山六左衛門宛 一通
一、一一月一〇日佐竹義宣書状 向右近宛 一通
一、（安永六年）二月二三日佐竹義敦書状 向庄九郎宛 一通
一、（元文三年四月一五日）佐竹義峯書付 老寄中宛 一通
一、二月二九日佐竹義堯書状 一通
一、二月二二日佐竹義隆書状 一通
一、（安永四年九月二六日）佐竹義敦書付 老寄共宛 一通
一、九月某書付（屋形死去、殉死禁令等） 一通
一、正月三日某書状（西洋馬具進上の事等） 一通
一、三月一九日秋田藩主書状 真崎兵庫外二名宛 一通
一、（安永七年）五月一八日佐竹義敦書付 向庄九郎宛 一通
一、（宛名・日付部分欠）秋田藩主書状（将軍拝領鷹の事等） 一通
一、（安永六年一〇月九日）佐竹義敦書付 一通
一、二月一九日佐竹義敦書状 年寄共宛 一通
一、二月三日佐竹義隆書状 梅津半右衛門宛 一通
一、三月二三日佐竹義宣書状 梅津半右衛門宛 一通
一、九月一三日佐竹義宣書状 梅津半右衛門宛 一通
一、四月一〇日佐竹義處書状 梅津与左衛門・同半右衛門宛 一通
一、四月二七日佐竹義宣書状 梅津半右衛門宛 一通
一、九月二一日佐竹義隆書状 梅津半右衛門宛 一通
一、一一月二八日佐竹義處書状 梅津半右衛門宛 一通
一、一二月二三日佐竹義處書状 梅津半右衛門宛・同茂右衛門宛 一通
一、六月朔日佐竹義宣書状 梅津半右衛門宛 一通
一、口伝書（刀剣関係） 一冊
一、佐竹義堯詩稿直書 一冊
一、御道具代上控 一冊
一、茶ノ湯手前之書 戸村十大夫 享和三年三月二四日付 一冊
一、（延宝四年）六月六日佐竹義處書状
（南部境目争論関係）梅津与左衛門・同半右衛門宛 一通
一、九月一〇日佐竹義都書状 真崎兵庫宛 一通
一、秋田藩主書状 一通
一、某書状 一通
一、秋田藩主書状写 一通
一、正月二日小貫重右衛門書状 下田磯吉宛 一通
一、七月二八日佐竹義重書状 赤坂左馬助宛 一通
一、七月一九日佐竹義宣書状 梅津半右衛門尉宛 一通
一、一二月二九日佐竹義宣書状 宇都宮弥三郎宛 一通
一、二月二一日佐竹義隆書状 佐竹式部宛 一通
（山本博文・小宮木代良・松澤克行）
『東京大学史料編纂所報』第32号p.33
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