YAJカタログ(日本語反訳版)

調度類

(E 1) 棚厨子
     (1a) 打付式。
      縦154.6㎝;横187.9㎝;深さ54.5㎝。
     (1b) 組立式。
      奈良の国宝庫である正倉院に保管されている型の複製品。
(E 2) 唐櫃
     高さ39.5㎝。
     ふた:縦53㎝、横60㎝。
     棚:縦43㎝、55㎝。

     四つの足がついた、中国式の木製の箱。
(E 3) 経函
     杉製。
     蓋が閉まった状態で高さ13.7㎝。
     蓋:縦38㎝、横25.5㎝。
     箱:縦34.5㎝、横22.5㎝。

     経典のための入れ物。
(E 4) 二つの経函
     (4a) 大函:蓋が閉まった状態で高さ14.2㎝。
      蓋、縦34.2㎝、横19㎝。
      箱、縦31㎝、横15.5㎝。
     (4b) 小函:蓋が閉まった状態で高さ16㎝。
      蓋、縦33.7㎝、横16.7㎝。
      箱、縦30.3㎝、横13.6㎝。
(E 5) 経帙
     木題纖付き。
     31㎝×45㎝
     札、7.3㎝×2㎝。厚さ、0.2㎝。

     経帙は経を巻いて保管するために使われた小さな竹簀の一種で、仏教において重要な道具の一つ。この標本は後白河法皇(第77代天皇、1127-1192年)によって実際に使用されたものの一つであり、京都府高尾山の神護寺に一時保管されていた。木製の札の銘には「大乗経29、大方等、大雲経等」、帙に納められた経典の名前が書かれている。
(E 6) 経帙
     36.6㎝ × 62.4㎝。

     近代の標本。おそらく朝鮮のもの。
(E 7) 良弁硯
     奈良東大寺所蔵。
     縦13.5㎝ × 高さ4㎝。

     素焼きの模造の硯、奈良時代(708-780年)の有名な僧侶良弁によって使用されたと言われている。良弁は東大寺の創設者。
(E 8) 3本の筆
     天平時代に使用されたものの模造品。
(E 9) 猿面硯
     縦27.3㎝×横20.5㎝。

     藤原時代(966-1067年)に作成された、原本の模造品で、現在は大和国の当麻寺に保管されている。猿の顔に似ていることからその名前で呼ばれた。多くの陶器の破片から作られたもので、レリーフに漆が塗られ、スズで縁取られている。
(E 10) 朝鮮製石硯
     縦17.5㎝ × 横底辺11.7㎝。
     「高麗」の時代、或いは李朝初期(15世紀)の標本か。
(E 11) 硯箱
     二つの箱、一つには蓋がついている。表面の絵は螺鈿細工である。中国か朝鮮で作成された。
(E 12) 根来塗漆の硯箱
     硯と水滴が入っている。
     蓋も含めて、高さ6.2㎝。
     蓋:縦24.4㎝、横18.7㎝。

     「根来塗」は、紀伊国の根来寺で初めて作られた漆作品の一種。この豊富な漆作品は1288年以降、高野山の何人かの僧侶がどこかへ離れ、寺が繁栄した頃に大量に作られた。1595年には、しかしながら、秀吉によって寺が破壊され、それとともにこの産業は途絶えた。その後、京都で多量に模造され、ここにある硯箱は徳川時代の標本である。
(E 13) 三つの矢立
     (13-1) 長さ18㎝。
     (13-2) 長さ18㎝。
     (13-3) 長さ22㎝。
     矢立は筆を収める円筒の管がついた持ち運び可能な墨壺で、帯に携帯し、特に商人らによって使用された。多様な矢立は異なる時期に生産された。これらの作品は徳川時代後期(19世紀)のもの。
(E 14) 漆塗りの文机
     高さ25.5㎝;90.7㎝ × 27.7㎝。
     徳川時代後期の作品。
(E 15) 額
     中国の有名な僧、隠元による、三つの漢字、心花堂の文字が刻まれている。
     31㎝ × 1005㎝。

     「額」は絵や書を掲げるための特殊な形式で、西洋の額縁入りの絵に似ており、たいてい和室の欄間に掲げられる。ここにある額は木製(桐)の板で、三つの文字が刻まれており、明らかにそれが掲げられた部屋の名前を示している。隠元は明朝中国の僧侶で、1654年に日本からの招待を受けて来日し、当時宗教者や知識人らに尊敬された。その他の偉大な業績の中で、仏教の黄檗宗を開き、山城国宇治に万福寺を開山した。彼の書の作品は芸術的な価値とともに、卓越した筆跡が高く評価されている。
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