東京大学史料編纂所

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特定共同研究【古代史料領域】古代史料の研究資源化

研究課題 小川八幡神社大般若経の文化資源化研究
研究期間 2019~2021年度
研究経費
(2019年度)140万円
研究組織  
研究代表者 山口英男
所内共同研究者 田島 公・尾上陽介・遠藤基郎・伴瀬明美・藤原重雄・稲田奈津子・堀川康史・黒須友里江
所外共同研究員 大橋直義(和歌山大学)・坂本亮太(和歌山県立博物館)・竹中康彦(和歌山県立博物館)・傳田伊史(長野市立長野高校)・西本昌弘(関西大学)・福島正樹(信州大学)・本郷真紹(立命館大学)・李乃琦(日本学術振興会外国人特別研究員)
研究の概要
  • 2019年度
【2019年度】
(1)課題の概要
和歌山県紀美野町の小川八幡神社が所蔵する大般若経は、全600巻(現状は折本600帖)が現存し、約120巻の奈良時代写経、約380巻の平安時代写経を含み、1978年に学界に紹介されて以来、古代の文化史・地域史等に豊かな情報を提供する研究対象として注目され、本格的な研究利用のための詳細な原本調査が待たれていた史料群である。今般、関係諸方面の尽力によって環境が整い、本格調査の実施が可能となったことから、小川八幡大般若経全点の原本調査、赤外線撮影を含めたデジタル写真撮影、既存調査データの収集・整理等を行い、その成果を公表し学術資源化するとともに、小川八幡大般若経の成立・変遷・伝来等をめぐる多面的な研究を進展させ、その文化的価値を広く発信することを通じて地域・社会への研究成果還元をはかるものである。

(2)研究の成果
2019年度の調査によって、約340巻分の調査カードを作成した。
また、大般若経を伝えた小川八幡神社の氏子の方々を対象に、調査開始に至った経緯、小川八幡大般若経の文化財としての価値と祭礼の関わりなどについて、講演会を実施した。有田・海南地域で配布されているフリーペーパー(ミニコミ誌)「Arikaina」から、小川八幡大般若経の調査開始について取材を受け、2019年6月号に記事が掲載された。