東京大学史料編纂所

HOME > 編纂・研究・公開 > 共同研究 > これまでに実施された特定共同研究・一般共同研究の研究課題 > 研究成果:史料編纂所所蔵維新関係貴重史料の研究資源化

特定共同研究【近世史料領域】近世大名家史料の研究資源化

研究課題 史料編纂所所蔵維新関係貴重史料の研究資源化
研究期間 2018~2019年度
研究経費
(2019年度)97万円
(2018年度)97万円
研究組織  
研究代表者 小野 将
所内共同研究者 横山伊徳・保谷 徹・杉本史子・箱石 大・水上たかね
所外共同研究員 麓 慎一(佛教大学)・岸本 覚(鳥取大学)・谷本晃久(北海道大学)・白石 烈(宮内庁書陵部)・梁 媛淋(武蔵野学院大学)
研究の概要
  • 2019年度
  • 2018年度
【2019年度】
(1)課題の概要
本所が所蔵する維新関係貴重史料群は、質量ともに国内有数のコレクションでありながら、一部を除き充分な史料学的調査・研究が行われていない(デジタルアーカイヴ化も未着手)。本研究では、対象史料群のうち維新史料引継本(約二万冊、戦前期の維新史料編纂会が収集した史料群)・外務省引継書類(約三千冊、政府外務省から移管された江戸幕府の外国方関係史料)・史談会本(約二千冊、旧華族諸家が複製収集した幕末維新史料群)、また、国宝島津家文書や島津家本の中でも、幕末維新関係史料を対象として、当該の時期でそれぞれの地域を専門とする共同研究者を募集し、厳密な史料学的検討を加え、史料群の記述内容を確認して解説目録の作成に着手する。明治維新への社会的関心をも見据えて、本研究の成果を公開し、来たるべきデジタルアーカイヴ化に向けて、基礎的作業を実施する。

(2)研究の成果
初年度の成果を受け、論文を公開した。本所所蔵の維新史料引継本・史談会本と、明治期宮内省の「旧藩事績取調事業」、また戦前期の臨時帝室編修局による編纂事業との密接な関係につき、その基礎的事実を解明したものである。また、本年度の成果として、いくつかの論稿と学会報告とを発表することができた。
維新史料引継本のような大規模史料群については、様々な専門的見地を持ち寄ったうえ、多様な視角から検討してゆくことがなおも重要である。今年度は研究集会の中止に伴い、必ずしも研究成果の全般的な集約には至っていないものの、引き続き共同研究のメリットを活かし、様々な知見をあわせて総合的に考察することで、史料学的検証への寄与を継続する。