
二〇〇六年六月一七日、埼玉県上尾市を訪れ、市内所在の金石文史料につ
いて調査・拓本採取を行った。採取した拓本は次の通りである。
一、向山地蔵堂(上尾市向山一丁目、向山共同墓地)
大日種子板碑文永四年丁卯八月日
阿弥陀一尊種子板碑建武二年八月日
阿弥陀三尊種子板碑延文四年己亥八月
十三仏種子月待供養板碑文明三年十月廿三[日]
一、十連寺(上尾市今泉、宇高良哲住職)
阿弥陀三尊種子板碑貞治二年癸卯八月廿六日
阿弥陀一尊種子板碑応安八年二月十八日
阿弥陀三尊種子板碑文安[六]年己巳十[月]
なお本調査は伊藤宏之氏(台東区教育委員会文化財保護調査員)の主催す
る文化財調査に帯同させていただいたもので、伊藤氏および調査参加者の磯
野治司氏・関口崇史氏にはご指導・ご助言をいただいた。また調査にあたっ
ては宇高良哲氏のご高配を賜った。記して御礼申し上げる。
(川本慎自)
『東京大学史料編纂所報』第42号p.88