東京大学史料編纂所

HOME > 編纂・研究・公開 > 所報 > 『東京大学史料編纂所報』第21号(1986年)

奈良教育大学所蔵「永井家文書」の調査・撮影

 本史料は、すでに全文が『高槻市史』第四巻(一)(昭和四九)に伝来関係など詳細な解説とともに収められているが、以下のような重要性にかんがみ、改めて本所でも調査・撮影したものである。
 本史料二一巻二三六通の大部分は、家光期幕府の畿内支配の一翼をになった永井直清(山城青龍寺住、のち摂津高槻城主)に充てた、老中など幕府要路からの奉書・書状からなる。内容的には、音信・贈答など儀礼的なものを除外した政治むきの文書ばかりを集めて成巻したとも考えられ、それだけに家光期幕政に関する貴重な史料である。作業としては、点数等について『市史』と照合し、また『市史』のごく僅かの誤植等を校正したのち、全史料をマイクロフィルムに収めた。
 さらに、古文書標本として4×5フィルムで酒井忠勝書状、中根正盛書状などを撮影した。
                            (高木昭作・宮崎勝美)


『東京大学史料編纂所報』第21号p.82