
『後愚昧記』写本調査・撮影
大日本史料第六編部では、諸写本を校合して『後愚昧記』の底本を作成する必要があり、その準備作業として、本年度は昭和四十六年三月十五日から十七日まで三日間、西尾市立図書館岩瀬文庫・名古屋市立鶴舞図書館及び伊勢市の神宮文庫に出張して、各所蔵『後愚昧記』写本の調査・撮影を行なった。このほか、今回、蓬左文庫所蔵の『後愚昧記』をも調査・撮影の予定であったが、東京の徳川林政史研究所に移したとのことで、取止めた。今回の出張で撮影ずみの『後愚昧記』写本は、つぎの通りである。
○岩瀬文庫 一九巻(柳原家本)
○鶴舞図書館 上中下三冊本(河村秀頼本)、一冊本
○神宮文庫 六冊本、二二冊本、公忠公記一冊、及び『後深心院記』一冊
(新田英治・安田寿子・針生邦男)
『東京大学史料編纂所報』第6号p.144