東京大学史料編纂所

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所報―刊行物紹介

日本関係海外史料目録6 イギリス国所在文書(1)

Historical documents relating to Japan in foreign countries: An Inventory of microfilm acquisitions in the Library of the Historiographical Institute (Shiryo Hensan-jo), the University of Tokyo. Vol. VI. The United Kingdom, Part I.
本冊はイギリス国所在文書の第一部として、英国ロンドン市にある英国連邦連絡省付属旧インド省文庫所蔵史料八・五巻=五、八七八コマ(内六・五巻=四、八六七コマはポジ・フィルム)、大英博物館所蔵史料四巻=二、三八二コマ及び官公記録局所蔵史料五三巻=三五、八六九コマのマイクロフィルムを収載する。
以下に所収史料の概要を記す。(この概要は本冊中の当該部分に付した英文の邦訳である)。
§1 英国連邦連絡省付属旧インド省文庫所蔵史料 (Historical documents in the India Office Library at the Commonwealth Relations Office in London)
1 東インド会社原書翰集、一六一一−一六二三年("Original Correspondence" of the East India Company, 1611-1623)
ロンドン東インド会社の「商館記録」(Factory Records)中に含まれている"Collection of the Original Correspondence from India, with collateral documents originating at any places between England and Japan"と称する特別記録(通称、O・C、一六〇二−一七〇九年)六二帙のうち日本関係の文書二〇八通(一六一一−一六二三年)を抜萃したもの。撮影は一九五七年、"List of the Factory Records of the East India Company(1897)"にもとづいて行われた。文書中の固有名詞は原綴によって著録した。中には邦文の文書もある。
2 東インド会社海事記録、一六〇〇−一七九六年("Marine Records" of the East India Company, 1600-1796)
東インド会社文書中の「海事記録」(Marine Records)中に含まれている東インド地方で記録された航海日記や日本及び東亜に関する雑記録を選択したもの。撮影は一九五九年及び一九六三年に"List of Marine Records of the late East India Company and of subsequent date (1896)"にもとづいて行われた。航海日記の一部はポジ・フィルムである。
a 航海日記、一六一〇−一六七五年("Ship's journals", 1610-1675)
いわゆる「航海日記」(一六〇五−一七〇一年)のうち日本に直接関係のあるもの六点(一六一一−一六二四年)及び間接に関係あるもの一五点(一六一〇−一六七五年)。
b 雑記録、一六〇〇−一七九六年("Miscellaneous" Marine Records, 1600-1796)
リチャード・コックスの航海記や、いくつかの航海日記の抜萃など雑多な記録四点。
3 東インド会社商館記録、シナ・日本の部、一五九六−一七〇三年("Factory Records" of the East India Company: China and Japan, 1596-1703)
「商館記録」シナ・日本の部二九一冊(一五九六−一八三二年)のうち、日本関係のものを多く含む初めの一六冊(一五九六−一七〇三年)をポジ・フィルムに収めたもの。一九六三年"List of Factory Records"にもとづき撮影。このうちリチャード・ウィッカム発信控簿原本は一九五九年にも撮影され、ネガ・フィルムで受入れてある。
4 東インド会社商館記録、雑の部、一六〇八−一七二五年("Factory Records" of the East India Company: Miscellaneous, 1608-1725)
「商館記録」雑の部二四冊(一六〇八−一七二五年)のうち、僅かながら日本に関係のある記事の見える二冊(一六〇八−一七二五年)を選んだ。撮影は一九六三年、ポジ・フィルムで受入れた。
§2 大英博物館所蔵史料 (Historical documents in the British Museum in London)
1 初期東インド貿易関係記録、一六一五−一六二二年(East India trade records, 1615-1622)
この記録はロンドン市内で入手できる東インド会社の活動に関するもうひとつの史料群として、旧インド省文庫の史料群の欠を補うものである。平戸イギリス商館長リチャード・コックス日記(Diary of Richard Cocks, 1615-1619, 1620-1622)の原本(Add. Mss. 31300-31301)、コットン・チャーターズ所属東インド会社通信日本の部、一六一七−一六二〇年(Cotton Charters, III-13, XXVI-28)及びエジャートン氏旧蔵文書中の東インド会社通信からの抜萃(Egerton Mss. Collection, No.2086)の三点で、コックスの日記はエドワード・M・トムソン氏校訂本(一八八三年刊)及びその日本版(村上直次郎増補、一八九九年刊)に比し、多くの記事を含み、また、コットン・チャーターズ中には、邦文文書も少くない。固有名詞の原綴を尊重して著録してある。
2 初期アジア布教関係記録、一五六七−一七二〇年(Asian missionary records, 1567-1720)
ハーレイ氏旧蔵文書中の東亜カトリック布教関係文書の抜萃、一五六七−一七二〇年(Harley Mss No.3570)九点及び増加文書中の対日イエズス会布教関係文書、一五七九−一六二五年(Add. Mss. nos. 9852, 9856, 9858, 9859, 9860, & 18287)六点の二つのシリーズを含む。撮影は一九六四年、C. R. Boxer, "Christian century in Japan, 1549-1650 (1951)゛附載の目録にもとづいて行われた。ハーレイ氏文書のうち一冊は一七二〇年に編纂されたローマ教皇教書集(一三四九年まで)である。
§3 英国官公記録局所蔵史料 (Historical documents in the Public Record Office in London)
0 官公記録局所蔵記録目録(List of Foreign Office records)
一九二九年編纂刊行の目録一冊及びその後に作成されたタイプ印書の目録五冊のうちから、シナ・日本関係の部分を抜萃撮影したもので、一九〇五年までの史料が著録されている。
本書の内容は岩生成一編 "List of the Foreign Office records preserved in the Public Record office in London relating to China and Japan, ed. by Seiichi Iwao." Tokyo, The Toho Gakkai, 1959に印刷されている。
1 一般対日外交文書、一八五六−一八六八年(General Correspondence Japan, 1856-1868)
この記録はロンドンの官公記録局に「英国外務省記録」(Foreign Office Records)として保存されている日英外交文書の第一文書群(F. O. 46)で、もと同省に累積した文書として五六三冊(一八一五−一九〇二年)から成る。撮影は大部分が一九五六−六〇年に行われ、二二七冊に及んだ。本冊にはそのうち一〇三冊(Nos. 1-103, 1856-1868)と付録文書(F. O. 97)一冊(No. 269, 1860-1863)のみを収録した。
(前附二三頁、本文一九八頁)
担当者 岡田章雄・金井圓


『東京大学史料編纂所報』第1号p.34