モンスーン・プロジェクトⅢ

活動報告

2026年6月8日(月)、オランダよりライデン大学助教Lennart Bes氏を迎え、オランダ語史料の編纂・公開の現状と課題について意見交換を行いました。

日時:2026年6月8日(月)15:30~17:45
会場:史料編纂所205室
使用言語:英語

近年とくにオランダにおいて、オランダ語史料の電子公開や、AIを利用した史料翻刻・翻訳が急速に進み、従来の史料編纂や公開のあり方をめぐり国際的な議論が生じている。

2025年12月には、ハイヘンス研究所の Globaliseプロジェクト 主催で下記のオンライン・ラウンドテーブルが開催され、Bes氏や本プロジェクト・メンバーの大東敬典が参加した。
online roundtable “The Changing Archive: Digitization, Translation, and Historical Research on the Early Modern Indian Ocean World.”

こうした現状を踏まえ、Bes氏、現在本所で研究活動に従事しているTristan Mostert氏、大東の3名が、同問題についてさらに意見交換を行った。

会では、『日本関係海外史料 オランダ商館長日記』を切り口に、オランダ語史料の編纂はこれからも必要か、史料の翻刻や翻訳においてAIが代替できる部分はあるか、史料集に加えるべき価値は何かなど、史料集の作り手にとっての問題から、史料集を購入・利用する人は誰か、どのような史料集が有用かなど、利用者にとっての問題まで多岐に亘る議論を行った。

AIが生成する史料の翻刻・翻訳は今後ますます普及してゆくと思われる。新しい技術は史料編纂にも応用可能だと思われるし、実際オランダではすでに利用が始まっているようである。他方、生成されたデータを有効に活用するためには、従来の史料編纂が行ってきた作業もまた必要であり続けるように思われる。会では、研究目的で利用する場合、少なくとも現時点では、AIのデータは十分ではなく、より正確な翻刻・翻訳が必要なこと、良質な史料紹介、注釈など利用の助けとなる情報がこれまで以上に歓迎されることなどが指摘された。

(文責:大東敬典)

意見交換


2026年5月16日(土)、5月19日(火)に、それぞれ京都と岡山で2つの国際研究集会を開催しました。

【京都】
「海域アジア史研究会2026年5月例会」

日時:2026年5月16日(土)13:30〜17:00
会場:同志社大学烏丸キャンパス志高館1階SK101教室
使用言語:日本語・英語

共催:東京大学史料編纂所共同利用・共同研究拠点特定共同研究(海外史料領域)「オランダ東インド会社文書研究資源化のための国際的研究ネットワークの構築」

本研究集会は、海域アジア史研究会との共催で、ハイブリッド形式で開催された。参加者は対面12名、オンライン8名、合わせて20名だった。本研究プロジェクトから、現在史料編纂所において研究活動に従事しているTristan Mostert氏が登壇した。

「海域世界からディアスポラの今を見る:マレーシア・ペナン島におけるタミル系ムスリムの経済活動の変遷から」
中島咲寧(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程、日本学術振興会特別研究員(DC1))
“Clove War: The Power Dynamics of the Eastern Indonesian Archipelago and the Struggle for Access to a Global Commodity”
Tristan Mostert (Leiden University)

海域アジア史研究会2026年5月例会

【岡山】
International Workshop “Bridging Time and Space: Cultural Interaction in Early Modern Asia and European Sources”

日時:2026年5月19日(土)15:30〜17:30
会場:岡山大学津島キャンパス文法経1号館・多文化共修スペース
使用言語:英語

主催:岡山大学文学部東洋史研究室
共催:東京大学史料編纂所共同利用・共同研究拠点特定共同研究(海外史料領域)「オランダ東インド会社文書研究資源化のための国際的研究ネットワークの構築」

本研究集会は、岡山大学文学部東洋史研究室との共催で、対面形式で開催された。参加者は8名だった。本研究プロジェクトから、Tristan Mostert氏と大東敬典が登壇した。

“Clove War: Struggle for Access to a Global Commodity in the Eastern Indonesian Archipelago, c. 1600-1660”
Tristan Mostert
“Indian Textiles Varieties and Their Names in Early Modern European Sources: Issues of Translation”
Ikuko Wada (Okayama University)
Comments: Norifumi Daito (Historiographical Institute, The University of Tokyo)

International Workshop

International Workshop


両研究集会を通じて、海域アジア史、東南アジア、オランダ東インド会社に関心を持つ研究者や学生と交流した。交易ディアスポラ、商品史、オランダ語史料など共通の話題を得て、有益な議論を行うことができた。

(文責:大東敬典)

趣旨とメンバー

活動報告

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松方 冬子(まつかた ふゆこ) 東京大学 史料編纂所 准教授 博士 (文学) Associate Professor,the University of Tokyo Ph.D.(the University of Tokyo, 2008)

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