モンスーン・プロジェクトⅡ

東京大学史料編纂所共同利用・共同研究拠点 特定共同研究 海外史料領域
2022~2025年度
本所所蔵在外日本関係史料の多角的利用のための翻訳研究

本研究の趣旨

 本研究では、本所に所蔵される16~19世紀の欧文史料が、刊行・未刊行を問わずその史料価値に応じた十分な活用がなされていない現状に鑑み、その翻訳を通じて、ひろく学界に還元し、多角的な利用を可能にすることを目的とする。扱うのは、ポルトガル領インディア、オランダ東インド会社(VOC)という、広域的な組織の史料である。これらの史料群は、当時の世界を見る際に、貴重かつ豊富な情報を提供するが、今まではおもに日本の対外関係という限られた目的のために翻訳され、利用されてきた。しかし、近年、東洋史、西洋史の研究者も交えて、日葡関係史、日蘭関係史の方法的蓄積をほかに応用する試みがなされており、その需要も大きい。本研究により、本所所蔵欧文史料を利用する研究者が増え、実際に利用されている史料の幅が広がることが期待される。また、新しい問題群に光が当たり、これまでにはない形での活用も可能になることも期待される。

 本研究では、以下の①~③の、翻訳と注釈からなる史料集を出版することを目的とする。必要に応じて、関連する研究者を海外から招聘し、国際研究集会を開催する。
①18世紀末にオランダ東インド会社が清朝に送った1794~1795年の乾隆帝の在位60年を祝う使節団の日記。正使ティチングによる日記(写本がライデン大学、フランス海外領土文書館等に所蔵されている、Frank Lequin氏が2005年に翻刻をIsaac Titsingh in China (1794-1796), het onuitgegeven Jounaal van zijn Ambassade naar Pekingとして刊行)および随行の中国学者ド・ギーニュの日記(Voyages a Peking, Manille, et l’’Isle de France, faits dans l’intervalle des années 1784 a 1801として、1808年刊行)。
②オランダ東インド会社のアジア諸勢力との関係を規定した条約・契約集Corpus diplomaticum Neerlando-Indicum, 6vols. Vols. 1–2, edited by J.E. Heeres; Vols. 3–6, edited by F.W. Stapel (The Hague: Martinus Nijhoff, 1907‒55)(『蘭領東インド外交文書集』)
③ジョアン・デ・バロスの『アジア史』の後継で、1520年代から1610年代までのポルトガル領インディアの歴史を網羅したディオゴ・ド・コウトの『アジア史』

代表者:松方冬子

所内共同研究者

松方冬子(代表者)
岡 美穂子
大東敬典

所外共同研究員

大野晃嗣、久礼克季、イザベル・田中・ファンダーレン、冨田暁、中砂明徳、野澤丈二、フォスティーヌ・ペイセレ、真下裕之、森田由紀


趣旨とメンバー

活動報告

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