東京大学史料編纂所

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 東京大学史料編纂所・オランダ歴史研究所との共催セミナー開催

  史料編纂所は、8月31日(月)、オランダのハーグ市の王立図書館会議室において、オランダ歴史研究所と「オランダと日本の歴史に関する
 オランダ語史料、その公開と編纂」と題する公開セミナーを共催した。これは、両国の歴史学の研究に寄与するため、ともに自国史の史料編纂
 機関である両研究所が、その活動、特に近年の編纂物や新しいプロジェクトなどを紹介したものである。オランダ歴史研究所は、現在はオラン
 ダ科学研究機構に属する研究機関で、研究とともに史料集の編纂及び、史料へのアクセスを容易にするデータベースやガイドブックなどの作成
 等を通じ、歴史研究を促進するための活動を行なっている。

  歴史研究所所長ドナルド・ハックス氏の挨拶の後、史料編纂所からは、海外史料室でオランダ語史料を担当する松井洋子教授が史料編纂所
 の活動と『日本関係海外史料 オランダ商館長日記』の出版について、松方冬子准教授が、最近公開を開始した欧文による『バタフィア発信書
 翰控簿目録データベース』について紹介した。

  オランダ側からは、歴史研究所の研究部長であるヘリット・クナープ氏が、同研究所の史料編纂の歴史と現状、今後の課題等を提示し、隣接
 する協力機関であるオランダ国立中央文書館のハンノ・デ・フリース氏が日本と関わりのある歴史系データベースを紹介した。

 セミナーは50名ほどの参加を得、ユトレヒト大学教授でオランダ植民地史の重鎮ユル・ファン・ホール教授の司会で、歴史史料の編纂が、歴史
 家ばかりでなく市民、や別の領域の研究者にも有用であること、デジタル化への期待など、活発な意見交換が行なわれた。