東京大学史料編纂所

HOME > 過去のニュース&トピックス > 2011年度のニュース&トピックス > 採訪マイクロフィルムデジタル画像の試験公開について

7月1日より、図書閲覧室において、採訪マイクロフィルムデジタル画像の試験的な公開を開始しました。

 史料編纂所では、国内外の日本史史料を組織的・系統的に調査・収集し、その成果は複成本(影写本・謄写本など)として、利用されてきました。なかでも、マイクロフィルム・カメラ撮影による複成は「写真帳」として広く利用されてきましたが、2008年以降、複写用印画紙、史料撮影に適した35ミリロールフィルムなどの生産が中止になるなど、マイクロフィルムとカメラによる史料採訪・複製作成システムの継続が全く困難な状況に陥ってしまいました。

 科学研究費基盤研究(S)「史料デジタル収集の体系化に基づく歴史オントロジー構築の研究」(2008年度から5年間の予定)では、従来からの「写真帳」による閲覧に代わる方法として、採訪マイクロフィルム画像のディスプレイによる検索と閲覧について、調査・研究を行ってまいりました。その成果公開の一環として、7月1日を期して、これまでにデジタル化・目録作成が終了した約40万コマの史料デジタル画像を、Hi-CAT Plusとして、本所閲覧室において試験的に公開するものです(所外からのアクセスはできません。「写真帳」の閲覧は従来通りです)

 Hi-CAT Plusは、本所の基幹的蔵書検索システムである所蔵史料目録データベース(Hi‐CAT)と連携し、史料収集時の諸情報(所蔵者、撮影年月日、史料群名など)とともに、一史料画像毎に差出(発信者)・宛所(受信者)・発信年代・内容等を研究して史料名を付与した一点目録の検索を可能としたものです。