このサイトについて
目的と歴史
日本史用語翻訳グロッサリー・データベース(The Online Glossary of Japanese Historical Terms)は、外国語で日本史研究を行う際の補助ツールとして、前近代日本史に関する史料用語・研究概念などの外国語訳・説明を集成し、検索可能にしたものです。2023年7月現在、英語約18,000件、フランス語約1,800件、ドイツ語約6,300件が登録されています。
本データベースは、2000-04年度のプロジェクト「前近代日本の史料遺産プロジェクト(Japan Memory Project: JMP)」の一環として構想され、2003年7月に「応答型翻訳支援システム」として公開されました。以後、外国語で日本史研究を行う際の必須ツールとして国内外の研究者から高い評価を得ており、2023年7月には「日本史用語翻訳グロッサリー・データベース」としてリニューアル・オープンしました。
本データベースの開発・更新にあたっては、数多くの海外研究者の協力・助言を得ています。今後も国内外の研究者の協力を得ながら、データベースの充実に努めていきます。
使い方
収録用語について
グロッサリー・データベースには、著作権者から利用の許可を得たうえで、さまざまな出版物・プロジェクトから外国語訳・説明を登録しています。これらの外国語訳・説明は、各々の著作の主題・対象時期についてのものであり、また著者の判断によるものですので、ご利用の際はご注意ください。本データベースは、ある日本史用語の「定訳」を提供することではなく、既存の外国語訳・説明を集成することにより、利用者自身が翻訳を選び、考える際の手がかりを提供することを目指すものです。
検索方法
「検索画面」の検索ボックスにキーワードを入力し、必要に応じて「検索範囲」「時代」「言語」「表示形式」を指定して下さい。「検索範囲」の項目は下記の通りです。
項目名 | 説明 |
---|---|
見出し | 用語の日本語表記(例:鎌倉幕府) |
見出し(完全一致) | キーワードに完全に一致する用語を検索します。 |
日本語読み | 用語の平仮名表記(例:かまくらばくふ) |
ローマ字 | 用語のローマ字表記(例:Kamakura Bakufu) ※長音符も検索可能です(例:ritsuryo, ritsuryō) ※ローマ字・ひらがな表記は出典の表記にもとづきます。 |
対訳語 | 用語の逐語訳(例:The Kamakura shogunate) |
説明 | 用語の定義・説明 |
時代 | 古代・中世、近世・維新の2区分から選択できます。この区分は著作の主題から適宜判断したものです。 |
言語 | 英語・フランス語・ドイツ語の3言語が利用できます。 |
各データのうち角カッコで囲った語句・文章は、グロッサリーPJの編集者が補足・訂正のために付したものです。また、 明らかな誤字と考えられるものについては、検索の利便性を図る観点から、編集者の判断により修正している場合があります。
検索結果
検索結果は、(1) 見出しがキーワードに完全に一致するもの、(2) 見出しにキーワードを含むものを優先的に表示し、それに続いて(3) キーワードをより多く含むもの、の順に表示されます。検索結果の並び順は「並び替え」から変更できます。
検索結果の表示形式には「詳細表示」と「簡易表示」があり、検索画面・検索結果画面から選択することができます。「詳細表示」は空欄を除く全項目を表示し、「簡易表示」は見出し・対訳語・出典のみを表示します。
また、画面左に表示される「絞り込みメニュー」(スマートフォン版では「検索結果を絞り込む」ボタン)から条件を選択することで、検索結果を絞り込むこともできます。
お問い合わせ先
本データベースに関するご質問・ご意見がある場合にはお問い合わせフォームからご連絡ください。お寄せいただいたご意見は、今後の修正の参考にさせていただきます。なお、個別の用語に関する質問(翻訳など)は受け付けておりませんので、ご了承ください。
研究プロジェクト
グロッサリー・データベースは以下のプロジェクトにより開発・更新されました。
- 文部科学省中核的研究拠点形成プログラム「前近代日本の史料遺産プロジェクト(Japan Memory Project: JMP)」(科学研究費補助金 特別推進研究(COE)「前近代日本史料の構造と情報資源化の研究」(2000-04年度、代表・石上英一)のサブ・プロジェクト)
- 科学研究費補助金 基盤研究(A)「日本前近代史料の国際的利用環境構築の研究」(2005-08年度、代表・石上英一)
- 東京大学史料編纂所一般共同研究「日本史用語グロッサリーの蓄積と改良にむけて」(2017-18年度、研究代表者・Joan Piggott)【PJ概要(2017・2018)】
- 東京大学史料編纂所一般共同研究「日本史用語グロッサリーの再構築にむけて」(2022-23年度、研究代表者・Nadia Kanagawa)
- 日本学術振興会 人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業(2019-2022年度)
参考文献
- グロッサリー・データベースを活用した研究成果は、研究成果のページをご覧ください。
- 東京大学史料編纂所編『前近代日本の史料遺産プロジェクト研究集会報告集 2000』(東京大学史料編纂所、2001年)
- Joan R. Piggott「名正しからざれば…:翻訳の問題とマスター用語集作成への提言(Troubles with “Naming” (i.e. Translating) and a Proposal for a Super Glossary)」
- Ineke van Put, 若林晴子「JMP歴史用語グロッサリーの現状と課題」
- 東京大学史料編纂所編『前近代日本の史料遺産プロジェクト研究集会報告集 2001-2002』(東京大学史料編纂所、2003年)
- 石上英一「応答型翻訳支援システム」(東京大学史料編纂所編『東京大学史料編纂所歴史情報データベースシステムの現状と課題 2003』東京大学史料編纂所、2003年)
- 東京大学史料編纂所編『前近代日本の史料遺産プロジェクト研究集会報告集 2003』(東京大学史料編纂所、2004年)
- 若林晴子「前近代日本史用語グロッサリーと翻訳の諸問題」
- 東京大学史料編纂所編『前近代日本史料の構造と情報資源化の研究(2000年度~2004年度 文字部科学省科学研究費補助金 特別推進研究(COE) 研究成果報告書)』(東京大学史料編纂所、2005年)
- 若林晴子・榊原小葉子「前近代日本史用語グロッサリー:現状と今後の課題」
- 榊原小葉子「前近代日本史用語グロッサリー」
- 東京大学史料編纂所『日本前近代史料の国際的利用環境構築の研究(東京大学史料編纂所研究世界報告 2008-3)』(東京大学史料編纂所、2009年)
- 若林晴子・高嶋朋子「応答型翻訳システム」