日本中世文化史(2006年度)
 担当教員 氏名
藤原 重雄
配当学年 クラス指定 必選区分 開講期 曜日 時限 単位数 備考
1・2・3・4     選択必修  通年  水  等,副 

副題 掛幅縁起絵を読む 
授業目的
概要
日本の中世には、寺社の縁起(草創の伝説や本尊の霊験譚)・高僧の伝記といった宗教的な物語を、大画面 の障子・掛幅に描いた絵画が数多く制作された。絵画作品として優れたものも残され、物語の解説が「絵解き 」という芸能として行われることもあった。この講義では、具体的な作品の絵と物語を読み解きながら、歴史的な立場から中世文化の様々な側面に光を当ててゆく方向で話をすすめる。 
授業計画 1.概説(講義の対象/問題関心と研究分野)
2.個別作品の検討(観興寺縁起絵・温泉寺縁起絵・家原寺縁起絵・浦嶋明神縁起絵などから)
3.関連作品の検討(仏教説話画/宮曼荼羅/参詣曼荼羅などから)
4.まとめ(中世文化に関わる問題/物語の構造に関わる問題/絵画の性質に関わる問題) 
評価方法
基準
主に各期末のレポートによる。各期の中程に期末レポートの準備を兼ねて小課題がある。また、毎回講義後に着眼点・疑問点を記したメモを提出してもらう。 
準備学習
学生への要望等
講義では適宜、その時々に博物館・美術館で展示されている中世の文化財について説明するので、是非お出かけください。掛幅縁起絵以外でも、何か気に入った/気になった作品を歴史的に理解することが、この講義の目標のひとつです。それらの解説やレポートの書き方など、「日本中世史」と同じ講義内容になることがあるのでできれば同一年次に連続しての受講は避けてください。
高校で日本史を選択していない方は、知人などから教科書・副教材を譲り受けて、自宅で参照できるようにしてください。みなさんは非必修化の被害者なのですが、多少の努力もお願いします。 
テキスト 作品ごとにプリントを配布する。(カラー・部分の図版は配れないので、教室の画面で見ることになります。 ) 
参考文献 奈良国立博物館編.『社寺縁起絵』.角川書店, 1975.
社寺縁起絵研究会編.「現存社寺縁起絵簡明目録(上・下)」.『国書逸文研究』29・30号
『一冊の講座 絵解き』.有精堂, 1985.
赤井達郎.『絵解きの系譜』.教育社, 1989.
大阪市立博物館編.『社寺参詣曼荼羅』.平凡社, 1987.
その他、詳しくは、
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/personal/fujiwara/lecture.htmlに随時掲載。 
備考  

東京大学史料編纂所古代史料部藤原重雄出講