担当教員 氏名 | 配当学年 | クラス指定 | 必選区分 | 開講期 |
---|---|---|---|---|
藤原 重雄 | 1・2・3・4 | 選択必修 | 通年 | |
曜日 | 時限 | 単位数 | 備考 | |
水 | W | 4 |
古絵図から探る
日本中世に制作された古絵図のうち、土地・領域の所有・支配に関わって成立したものを「荘園絵図」と言いならわしている。中学・高校の教科書で、鎌倉時代の荘園制を説明する際に挿図とされていた、東郷庄・奥山庄・カセ田庄・日置北郷などの絵図がそれである。この講義では、関東地方の絵図を中心に代表的な事例を取りあげて、当時の社会について考えてみたい。あわせて、歴史的景観や地名の持っている意義についても触れ、現代社会との接点についても話を及ぼしたい。
1:概説(中世荘園絵図)
2:各論(東郷庄絵図/鶴見寺尾絵図/称名寺結界絵図/円覚寺境内絵図・明月院絵図・建長寺指図/虚空蔵寺絵図/鵤庄絵図/出雲大社并神郷図などから)
3:関連するジャンル(宮曼荼羅・洛中洛外図・参詣曼荼羅・日本図などから)
4:景観・地名から探る中世
5:まとめ
主に各期末のレポートによる。各期の中程に期末レポートの準備を兼ねて小課題がある。また、毎回講義後に着眼点・疑問点を記したメモを提出してもらう。
実際の地形などが残っているところもありますので、比較的近い鎌倉や金沢文庫などへは、是非お出かけください。また講義では適宜、その時々に博物館・美術館で展示されている中世の文化財について解説を行うので、実際に足を運んで見てくることを期待します。なお、日本史についての一般的な知識は、より深い理解のいとぐちになるので、高校の教科書などは自宅で参照できるようにしてください。
絵図ごとにプリントを配布する。
黒田日出男.『中世荘園絵図の解釈学』.東京大学出版会, 2000年. *参考文献目録あり。
下坂守.『描かれた日本の中世』.法蔵館, 2003年.
難波田徹.『中世考古美術と社会』.思文閣出版, 1991年.
東京大学史料編纂所編.『日本荘園絵図聚影』.東京大学出版会, 1988−2002年.
小山靖憲ほか編.『中世荘園絵図大成』.河出書房新社, 1997年.
西岡虎之助編.『日本荘園絵図集成』.東京堂出版, 1976−1977年.
東京大学史料編纂所「荘園絵図模本データベース」http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/shipso/syen/opening.html
その他、詳しくは、
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/personal/fujiwara/lecture.htmlに随時掲載。