<礬水塗り>
模写はまず、和紙に礬水を塗ることから始まります。
これは、和紙へのにじみ止めです。
これを行わないと、絵の具が和紙に定着しないのです。
礬水は、明礬とお湯と膠の水溶液を
混ぜて作ります。
<上げ写し>
本来は、字の通り和紙を上げ下げして、
下にある絵の残像を和紙に描いていました。
現在では、転がして行うことが多いようです。
上げ写しで、墨の線や剥落した絵の具の状態などを
描いていきます。
<仮張りに貼る>
上げ写しが終わると、その和紙を仮張りという柿渋を塗った板に
張り込みます。
<着色>
次は、絵の具を塗る作業に入ります。
絵の具は一度に塗ってしまうのではなく、
何回も薄い色を重ねながら、原本の色に近づけて行きます。
模写の絵の具ですが、古代からずっと変わらずに
作りつづけられてきたものを使っています。
ほとんどが天然の石や土・植物などから作られています。
<仕上げ>
こうして絵の具を塗り重ねていき、完成に近づけていきます。
最後に古びたいろを上から重ねれば、出来上がりです。