このサイトについて
このサイトは、都城島津邸所蔵「琉球并諸島図」(りゅうきゅうならびにしょとうず)の画像をWEB上で公開するとともに、絵図に描き込まれた情報を分析するために構築されたデジタルアーカイブです。
都城島津邸所蔵「琉球并諸島図」
「琉球并諸島図」は、縦77cm、横514cmに及ぶ折りたたみの大型絵図で、口之島から与那国島までの南西諸島を描いています。正確な製作年代は不明ですが、記載されている石高は1635年以降の数字であり、一方で地名には1666年以降に琉球国内で新設された間切名がないことから、1635年から1666年の間にできあがった絵図を写したものであると考えられます。
とくに、東京大学史料編纂所の所蔵する国宝「島津家文書」のなかに残る正保の琉球国絵図(1649年に江戸幕府に提出された正保の琉球国絵図の写し)と類似した表記が見られることから、双方の比較検討を進めるために、このデジタルアーカイブが構築されました。
デジタルアーカイブの機能
東京大学史料編纂所では2019 年に、都城島津邸の協力のもとで「琉球并諸島図」のデジタル撮影を行いました。このデジタル化によって、展開の不便な大型絵図の画像をWEB上で閲覧できるようになっただけでなく、さらにアノテーションで書き込まれた文字など 754 件の情報を画像に紐づけ、検索機能も持たせています。また IIIF により、他機関が所蔵する国絵図との並列表示(比較)や、現代地図との重ね合わせ(現代地図)といった表示方法も可能となっています。
画像およびデータの利用に際しては利用条件のページをご参照ください。
〔参考文献〕
沖縄県教育庁文化課編『琉球国絵図史料集 第三集』沖縄県教育委員会発行、1994 年
〔付記〕
このデジタルアーカイブは以下の各種研究費の成果によるものです。
- JSPS 科研費 18H00698・20H00010・21K18014
- JFE21世紀財団アジア歴史研究助成「前近代の那覇港における航路と聖地」(研究代表者・黒嶋敏)
- 鹿島学術振興財団研究助成「正保琉球国絵図の研究資源化とデジタルアーカイブの構築」(研究代表者・黒嶋敏)
- 東京大学史料編纂所画像史料解析センター「琉球諸島図」プロジェクト(研究代表者・黒嶋敏)
- 東京大学 FSI 事業「データ駆動型歴史情報研究基盤の構築」