外交の世界史の再構築

鹿島学術振興財団研究助成 2020年度~2021年度
外交の世界史の構築―15~19世紀ユーラシアにおける交易と政権による保護・統制―
Toward a Global History of Inter-State Relations: A Comparative Study on Governmental Controls on Commercial Exchanges and Traffics in Eurasia, 1400-1900

科学研究費補助金 基盤研究(A)2021~2024年度 課題番号:21H04355
外交の世界史の再構築 ―15~19世紀ユーラシアにおける交易と政権による保護・統制―

本研究の趣旨

 本研究では日本史研究の蓄積を、他地域の事例と比較することで、新しい世界史像を構築しようとする。最終的には、ヨーロッパ中心主義を克服し、より平らかな世界史を描くことを目指す。

 本研究は、「交易や人の移動に対する権力のコントロール」の、ユーラシア各地におけるあり方を実証的に検証し、多角的に比較する独創的・先駆的研究である。以下の3つの指標を用いる。

 ①外国人や外国人との取引は、どのように統制されているか。政権の発給する外国人統制法(約条、規条、条目など)と商人間の契約の組み合わせか、政権間の条約か。

 ②政権は国際交易からどのように利益を得ているか。広く浅くとる関税か、コミッション(手数料)、贈物、(貢物)、賄賂などによるか。

 ③ 居留民の長は誰のためにいるのか。居留民自身のためか、送り出した国の政権のためか、あるいは滞在国の政権のためか。

 19世紀後半以降、①は「通商条約」、②は「関税」、③は「領事」の問題として整理され、世界のどこでも一元的に理解されるものして、整序されていくようである。しかし、本研究では、その前史を、各地、各政権、各交易集団の固有性と多様性を踏まえつつ、実証的に明らかにする。

メンバー

研究代表者

松方 冬子

共同研究者

岡本隆司(中国史)、川口洋史(タイ史)、菊池雄太(ドイツ史)、木土博成(日本近世史)、木村可奈子(東アジア史)、塩谷哲史(中央アジア史)、大東敬典(西南アジア史、オランダ東インド会社史)、辻大和(朝鮮史)、橋本雄(日本中世史)、原田亜希子(イタリア史)、彭浩(日本近世史)、堀井優(オスマン史)、松井真子(オスマン史)、松本あづさ(日本近世史)、皆川卓(神聖ローマ帝国史)、森丈夫(北アメリカ史)、森永貴子(ロシア史)


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松方 冬子(まつかた ふゆこ) 東京大学 史料編纂所 教授 博士 (文学) Professor,the University of Tokyo Ph.D.(the University of Tokyo, 2008)

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