ハイパーテキスト版
『琉球外国関係文書』は、島津家が所謂家史編纂事業として「島津家国事鞅掌史料」を編纂する過程のなかで作られた編纂物で、アヘン戦争以降の琉球に来航した外国船や宣教師、琉球をめぐる幕府とのやり取り、長崎情報などの史料を網羅的に集めてほぼ編年に配列したもの。全51冊の和綴本からなります。『大日本古文書 幕末外国関係文書』がペリー来航から開始するのに対して、天保十四年から収めており、アヘン戦争直後からペリー来航に至る時期の情報源としては、非常に重宝なものです。
今回、重点領域研究『沖縄の歴史情報研究』公募研究「島津家本『琉球外国関係文書』(研究代表者 横山伊徳)の分析とそのハイパーテキスト化の研究」(1996)により、この『琉球外国関係文書』をハイパーテキスト化して、ホームページに掲載する試みを開始しました。
これを利用した研究には
洞富雄訳『ペリー日本遠征随行記』解説
上原兼善『鎖国と藩貿易』
生田澄江「幕末におけるフランス艦隊の琉球来航と薩琉関係」『沖縄文化研究』(19,1992年)
真栄平房昭「十九世紀の東アジア国際関係と琉球問題」『アジアから考える 3 周縁からの歴史』(東京大学出版会、1994年)
横山伊徳「日本の開国と琉球」『新しい近世史』第二巻(新人物往来社、1996年)
などがあるが、いずれも部分的利用にとどまっていて、全面的な研究はこれからです。
ご意見(→こちら)を寄せて下されば、幸いです。