第一部 史料・美術展示 (その3)
鎖国と開国
江戸期の展示品は、いずれも歴史の激動を証言する稀有な事件史料に絞りました。
キリシタン禁教にかかわる「踏絵」や長崎貿易の史料、朝鮮や琉球、蝦夷地に関する史料もならびます。史料編纂所の林家史料からは朝鮮通信使と交わした漢詩交流をご覧いただきましょう。
幕末期では、黒船の屏風やペリー提督の遺品、ロシア艦の対馬占拠事件図、高杉晋作が焼討ちした英国公使館図、安政江戸地震図など、歴史の動いたその瞬間を感じてください。
主な展示品
ロシア使節レザノフ来航絵巻 江戸時代・19世紀
レザノフが通商を求めて長崎に来航したのは1804年のことでした。
これは当時の様子を伝えるほぼ唯一の絵巻です。
ロシア船や長崎の町並みが詳細に描かれています。
幕府はレザノフを町外れに軟禁し、半年も経って通商拒絶を言い渡し
ました。憤激したレザノフは部下に蝦夷地襲撃を指示し、
北方での紛争が続きました。
ペリー渡来絵図貼交屏風 江戸時代・19世紀
これは余りにも有名な黒船渡来図です。
当時の写生画が貼り交ぜられ、屏風に仕立てられています。
このほかにも、ペリー提督の子孫が寄付した遺髪のブローチや
ピストル、肩章(いずれも東京国立博物館蔵)が出品されます。
お見逃しなく。
展示予定品リスト(東京大学史料編纂所の分のみ)
◎は重要文化財
出島蘭館饗宴図(個人蔵・寄託分)
唐船舶載切本帳
◎ 琉球国中山王尚氏起請文(島津家文書)
薩藩勝景百図(島津家文書)
南島雑話(島津家文書)
韓客酬和(林家史料)
◎ 蝦夷地絵図(近藤重蔵資料)
ロシア使節レザノフ来航絵巻
ペリー渡来絵図貼交屏風
米国使節ペリー渡来絵図写生帖
対馬芋崎露艦占拠図(外務省引継絵図)
御殿山公使館地図(外務省引継絵図)
御殿山英国公使館図(外務省引継絵図)
江戸大地震図(島津家本)
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