このサイトについて

このサイトは、沖縄美ら島財団所蔵「琉球国之図」(りゅうきゅうこくのず)の画像をWEB上で公開するとともに、絵図に描き込まれた情報を分析するために構築されたデジタルアーカイブです。

沖縄美ら島財団所蔵「琉球国之図」

「琉球国之図」は、嘉慶元年(1796年)に琉球独自の測量技術で作られた精密な絵図で、首里王府の命により測量家の高原景宅(たかばる・けいたく)が製作したと考えられています。かつては旧琉球王家の尚家に伝来していたもので、現在は一般財団法人の沖縄美ら島財団に所蔵されています。

縦47.3cm、横96.8cmの紙幅に沖縄本島と周辺諸島を描き、島の内外に地域の地理情報が詳細に書き込まれるとともに、朱筆で凡例を記し、豊富な文字情報から18世紀の琉球を知るうえで貴重な歴史史料であるといえます。さらに視覚的にも、琉球の広域行政単位である間切(まぎり)や島ごとに美しく塗り分けられており、一つの芸術作品としての価値も備えています。

デジタルアーカイブの機能

「琉球国之図」は、18世紀の琉球を描いた絵図として大変貴重であるとともに、図中に記された1674件の文字情報について分析を進める必要があることから、沖縄美ら島財団からのご協力をいただき、このデジタルアーカイブが構築されました。

これにより、絵図の画像をWEB上で閲覧できるようになっただけでなく、アノテーション付与によって書き込まれた文字などの情報を画像に紐づけ、検索する機能も持たせています。

またIIIFにより、類図になる沖縄県立図書館所蔵の「琉球国之図(薩摩藩調整琉球図)」との並列表示(比較)や、現代地図との照合(現代地図)といった表示方法も可能となっています。

なお、画像およびデータの掲載・引用などについては、所蔵機関により、それぞれ利用条件が異なります。詳しくは利用条件のページをご参照ください。

※「琉球国之図」に関する基本的な用語

  • 間切(まぎり)… 琉球王国時代、各地に置かれた広域行政区画単位。
  • 番所(ばんじょ)… 琉球王国時代、間切の行政拠点となった役所。
  • 釣竿(つりざお)… 島と島との間を測量した際の、距離と方位。
  • 海方切(うみほうぎり)… 地先にある海水面を専有する慣行に基づき、漁業権の範囲として首里王府が定めた境界線。
  • 火立所(ひたてじょ)… 烽火を上げる場所。海上交通の監視や、烽火の中継を担う拠点となった。

参考文献

  • 安里 進「尚家旧蔵「琉球国之図」」『地図』Vol.63 No.1、2025年
  • 上江洲安亨「≪史料紹介≫「琉球国之図」」『首里城公園調査研究年報』16号、2025年(リンク
  • 沖縄県教育庁文化課編『琉球国絵図史料集 第3集』沖縄県教育委員会発行、1994年
  • 黒嶋 敏「「首里城並諸方絵図間付差図帳」について」『東京大学史料編纂所附属画像史料解析センター通信』90号、2020年(リンク
  • 高橋慎一朗「東京大学史料編纂所所蔵の琉球関係拓本」『東京大学史料編纂所附属画像史料解析センター通信』90号、2020年(リンク

付記

このデジタルアーカイブは以下の各種研究費の成果によるものです。

  • JSPS 科研費 18H00698・19H00536・22H00025・23H00012
  • JSPS「人文学・社会科学データインフラストラクチャー強化事業」(課題番号:JPJS00320231001)
  • 三菱財団人文科学研究助成「尚家旧蔵「琉球国之図」のデジタル公開と総合研究」(研究代表者・黒嶋敏)
  • 東京大学史料編纂所画像史料解析センター金石文拓本史料の整理と公開プロジェクト(研究代表者・菊地大樹)、「琉球諸島図」プロジェクト(研究代表者・黒嶋敏)