2001年12月16日(日)

林譲「花押と筆跡の史料学」


 例えば、博物館の展示品を見たとき、一体誰が執筆したのだろうか、或いは、どうして自筆といえるのだろうか、などと思ったことはないでしょうか。
 ここでは、東京大学史料編纂所史料集発刊100周年記念「時を超えて語るものー史料と美術の名宝ー」展の出陳史料のうち、源頼朝文書や足利尊氏・直義兄弟の自筆書状、南北朝期の歴代天皇宸翰書状などを対象に、それらをモノとしてとらえる視点を設定して、花押と筆跡にかかわる史料学を考えていくことにしたいと思っています。

参考文献
拙稿「源頼朝の花押についてーその形体変化と治承・寿永年号の使用をめぐってー」(『東京大学史料編纂所研究紀要』第6号、1996年)、
「諏訪大進房円忠とその筆跡ー室町幕府奉行人の一軌跡ー」(皆川完一氏編『古代中世史料学研究』下巻、1998年、吉川弘文館)



源頼朝花押(「島津家文書」より)

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