中世史料部

〈刊行物とスタッフ・専攻テーマ〉


建武の新政(正慶2年・元弘3年・1333)から江戸幕府成立(慶長8年・1603)までを担当し、この間を第6編から第11編までの6チームで分担します。第6・7編の担当は南北朝・室町期、文化史的には足利義満の造った金閣に代表される北山時代です。第8・9編は応仁の乱に始まる戦国期、銀閣に代表される東山時代となります。第10・11編は新しい秩序を模索する全国統一へ向けた時代、毛利元就・武田信玄・織田信長・豊臣秀吉らの戦国武将が活躍する時代です


第六編(正慶2年・元弘3年〜明徳3年=1333〜1392)

いわゆる南北朝時代をカバー。『大日本史料』の中で最初に刊行が開始された編の一つで、既刊45冊(南朝天授元年・北朝永和元年=1375まで)。近刊では、若い将軍足利義満の活動の場が次第に広がり、九州でも今川貞世(了俊)の経略が本格化するなど、内乱終結に向けての新しい段階を迎えています。

助教授 山家浩樹 研究テーマ:室町幕府の研究
助 手 高橋典幸 研究テーマ:中世軍制史の研究

第七編(明徳3年〜文正元年=1392〜1466)

南北朝の内乱が終わった後、応仁の乱が勃発するまでの、狭義の室町時代を担当。既刊29冊(応永24年=1417まで)。近刊に収められた重要事件として、京都と関東の反公方勢力が結んで起こった上杉禅秀の乱があります。

教 授 榎原雅治 研究テーマ:中世村落と地域社会の研究
助 手 伴瀬明美 研究テーマ:中世天皇家の研究

第八編(応仁元年〜永正5年=1467〜1508)

応仁の乱から細川政元政権期を経て、京都で細川高国が覇権を確立するまでの、戦国時代前半を収録。既刊38冊(延徳2年=1490まで)。近刊では、8代将軍足利義政が没し、義材(義稙)が10代将軍となって、これを父義視が後見する体制が樹立されていく時期にさしかかっています。

教 授 山田邦明 (兼任)
助 手 末柄 豊 研究テーマ:室町時代政治史の研究
助 手 前川祐一郎 研究テーマ:中世法の研究

第九編(永正5年〜永禄11年=1508〜1568)

織田信長上洛以前の、戦国時代後半を収めます。既刊21冊(大永3年=1523まで)。近刊には、日明貿易の主導権を巡って細川・大内両氏の使者が衝突した寧波の乱、毛利幸松丸の死と元就の家督相続、伊勢氏綱の北条への改姓、松平清康(家康祖父)の家督相続など、興味深い記事が多い。

教 授 山田邦明 研究テーマ:関東甲信越地方の中世史の研究
助 手 渡邉正男 研究テーマ:法・制度と権利に関する歴史的研究

第十編(永禄11年〜天正10年=1568〜1582)

信長上洛から本能寺の変までの織田政権期が範囲。既刊23冊(天正2年=1574まで)。天正元年の武田信玄の死、朝倉・浅井の滅亡、将軍義昭の追放などの後を受けた近刊では、武田勝頼の遠江高天神城攻めと城主小笠原氏の降伏、信長の出陣・撤兵の一連の過程、肥前後藤氏の家督争いに端を発した国人衆の内紛、上杉謙信の加賀攻めなどを収録しています。

■編纂ノート■

第十編之二十二〜二十三について「なぜこの条を立てたのか(あるいは削除したのか)」「この人名比定の根拠は何か」というような疑問への答えをご覧いただけます。日本史専攻の学生の方なら、卒業論文のテーマが見つかるかも!
最新刊第十編之二十三の編纂ノートの公開を開始しました。順次追加していく予定です。
■大日本史料書名索引データベースの第十編の全冊(1〜23冊)データをアップしました。ご利用ください。■

教 授 酒井信彦 研究テーマ:中近世における儀礼の研究
助 手 金子 拓 研究テーマ:室町幕府権力の研究
助 手 黒嶋 敏 研究テーマ:中世地域社会の研究

第十一編(天正10年〜慶長8年=1582〜1603)

本能寺の変の後、江戸幕府が開かれるまでの間の、豊臣政権期を担当。既刊23冊。近刊では、天正13年(1585)11月下旬の出来事を扱っています。このころ秀吉は、検地の実施や徳川家康との和睦など、豊臣体制の基盤作りを始めましたが、東北や九州の大名は独自の活動を続けており、天下統一はまだ先のことでした。また、飛騨を中心とした大地震があり、秀吉が大坂へ逃げ帰る一幕もありました。

助教授 鴨川達夫 研究テーマ:戦国大名・織豊大名の研究
助 手 村井祐樹 研究テーマ:室町・戦国大名の研究


Since July 1995, Last updated June 2002