1996年度上半期常設展(担当 近世史料部)


常設展示ポスター

《展示史料について》

外務省引継書類『欧米行中諸請取書類』(外二七〇)・『諸勘定請取書類其他』(外二七一)

 史料編纂所が所蔵する幕末維新関係史料のなかで、『外務省引継史料』は、最も大きな史料群の一つである。これは、徳川幕府の外国奉行が管理していた文書を明治維新と共に維新政府に引渡したもので、その後『続通信全覧』の編纂に利用された。

 維新史料室では昨年度特定研究経費の交付を受けて『外務省引継史料』目録をデータベース化し、現在現物の史料と照合して所収年次の調査などを行なっている。この過程で、外二七〇『欧米行中諸請取書類』外二七一『諸勘定請取書類其他』という欧文領収書一括史料があることに気付き、今回の展示にあわせて整理を行なうこととした。

 一応の整理の結果、一八六五年柴田剛中仏英派遣、六七年徳川昭武フランス派遣の際の領収書が中心である(したがってフランス語の領収書が圧倒的)ことが判明した。今回は、この二回の派遣に際しての領収書、この一括書類に混入している六六年小出遣露使節派遣に関するロシア領事書翰を展示し、併せて関係する『外務省引継史料』中の御用留などを紹介することとした。

 なお、本史料の閲覧は整理撮影完了後(今秋か)可能とする予定。

《出陳目録》

史料編纂所図書室に関するお問合せは、電話 (03)5841-5962(運用掛)までどうぞ。

June 1996; (mod. Apr 2002)