柴田等は同社からしばしば洋酒を購入した。この会社は英米大使館の出入り業者で あるとうたっているので、同じパリ駐在外交官ということで柴田等のところにも納入 したのであろう。岡田摂蔵(柴田従者)『航西小記』には「葡萄酒の種類は凡そ四十 名、其上品なるものは一瓶の価十五フランク或は二十フランクに至ト云、下品のもの といへとも半フランに下らす」と記されている。50本で50フランの酒ワインなので、 普通Banale酒ということであろうか。 なお、同社は単なる酒屋ではなく、銀行業務をはじめ様々な業務代行を行なってい るようで、柴田らは同社の斡旋により居所を定めている。
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