外270/1/49

[Fabrique t l graphique]
電信機械代領収書 Ambassade Japonaise宛

パリ 1867年7月19日


 本文書裏には「瑞西テレガラフ器械御買入 六千フ之内弐千フ払候受取」とある。
パリで当該器械の製作を注文し、代金の一部を手付金として支払ったものと思われ
る。『滞仏日記』によれば、昭武一行はスイス巡歴中の 9月10日にベルン近郊のヌ
シャテルNeuch telを訪れ、「近来の新発明ニ而字面摺出し之電信機兼而御国より御注
文にも相成ぬれハ御覧旁其製作所御越」とあり、購入した電信機の製作所を見学して
いることがわかる。

  また『徳川民部大輔欧行御用留』中には、慶応三年九月十二日付で向山隼人正より
「瑞西牛沙徳電信機製造所頭取 ヒップロ」宛に購入した電信機の「用法伝授」に関
する謝状の写が収載され、随行者の内2名が同地でその扱い方の講習を受けたことが判
明する(前記の謝状で同機械はヒップロより横浜港へ直送される予定とされてい
る)。

史料編纂所図書室に関するお問合せは、電話 (03)5841-5962(運用掛)までどうぞ。



June 1996;