大日本近世史料「編脩地誌備用典籍解題二」

本冊には前冊にひきつづき別紀第一から別紀第六まで、原本六冊を収めた。別紀は「六十六国・二島及蝦夷・琉球各国の志」で、五畿七道の順にしるされている。各部の首には白描の地図が掲げられており、これについて本書の凡例では、「収る所の地図、新古あり、広狭あり、折衷して略図を作る、わつかに郡界を弁し、都城のみをあらはす、」と述べている。
本冊に収録した部は、畿内・山城・大和・河内・和泉・摂津・東海道・伊賀・伊勢・志摩・尾張・参河・遠江・駿河・甲斐の十五部である。各部のはじめに、その国の名義についての諸説をしるし、国内の郡名を掲げ、典籍は風土記・郡志・府志・雑志・神社仏寺・絵図の順に配列し、解題を付している。
なお、各道のうち、二国三国に関する書物は各道のはじめに置き、また一国を称として、内容の数ヶ国にわたるものは、その書名にあらわれた国の部に収めてある。
担当者 彌永貞三・山口静子・鈴木圭吾
(例言一頁、目次四頁、本文四七八頁)

『東京大学史料編纂所報』第8号 p.54**-55