41.地蔵院聖教の調査・撮影

二〇一三年一〇月一六日から二一日、同一一月二八日から一二月三日まで
の二回にわたり、巨鼇山地蔵院萩原寺(香川県三豊郡観音寺市大野原町萩原、
古義真言宗大覚寺派)に出張し、同寺所蔵の「地蔵院聖教類」及び「古文書」
等の調査及びデジタル撮影を行った。本調査は四国史料調査の一環であり、
一九八八年度より継続しており、本年度調査は第三一・三二回である。「地
蔵院聖教」の中核となるものは萩原寺中興第一世真恵(宝徳元年1449寂)の
時代に蒐集、或いは授受された小野流の報恩院流儀海方・実深方、実賢流覚
智方・同山本方、金剛王院流覚智方、石山流人師方、中院流、さらに広沢流
の慈尊院流・西院流能禅方・華蔵院流などに関する聖教である。
本年度は、聖教類の再整理作業(編年)とデジタル撮影及び修補作業を
行った。聖教類については室町時代中期聖教類過半の撮影を終了した。なお、
本年度第二回目には本所元職員の中藤靖之氏に調査に参加していただいた。
貴重な所蔵史料の調査を許可された萩原寺住職秋山行徳師に謝意を表する。

(山口英男・厚谷和雄・末柄 豊・伴瀬明美・及川 亘・井上 聡・稲田奈津子・遠藤珠紀・山口悟史)

『東京大学史料編纂所報』第49号