64.島原図書館松平文庫所蔵史料の調査・撮影

二〇一二年八月三日および二〇一三年一月二五日・二六日の二度にわた
り、島原図書館松平文庫(長崎県島原市城内一─一二〇二)に出張し、同文
庫所蔵史料の調査・撮影をおこなった。
この調査は科学研究費基盤研究B「中世における合戦をめぐる総合的研究
─長篠の戦いを中心に─」・史料編纂所共同研究(特定共同研究複合史料領
域)「関連史料の収集による長篠合戦の立体的復元」・史料編纂所附属画像史
料解析センター「長篠合戦図屏風プロジェクト」によるものであり、長篠の
戦いにて討死した松平伊忠の末裔(島原藩松平家)に関する家譜類を中心に、
中世後期から近世にかけての記録・軍記を撮影するとともに、島原藩士の由
緒書上にあたる「明細帳」などの調査をおこなった。
調査参加者は、末尾にあげる史料編纂所所員のほか、谷口央(科研分担研
究者・共同研究員、首都大学東京)・川戸貴史(科研連携研究者・共同研究員、
千葉経済大学)である。
撮影したのは下記のとおりである(括弧内は整理番号)。信長記(二九─
一)・慶長記(三〇─九)・奥州軍記(三三─二)・五井深溝松平同姓系譜(四
二─九)・御家譜(島原松平家)(四二─一一)・系譜(島原松平家系譜)(四
二─一三)・五明録(四二─一六)・系譜書上控(四二─一七)・公家衆流罪
之記(五五─六)・古証文写(六五─四)・奥州白河古状写(六五─一五)・
外国書簡(六五─二六)・書簡集(六七─二)・日本大唐往来(六七─三)・
深溝世紀(七二─一一)。
研究の主旨をご理解いただき、所蔵史料調査・撮影の許可を与えられ、
種々便宜をお図りいただいた島原図書館松平文庫に感謝申し上げる。

(遠藤珠紀・及川 亘・金子 拓・黒嶋 敏・渡邉正男)

『東京大学史料編纂所報』第48号