18.「賀茂別雷神社文書」の調査・撮影

二〇一〇年六月七日〜九日および二〇一一年二月七日〜一〇日まで、賀茂
別雷神社において、同社所蔵文書の調査・撮影を行った。「賀茂別雷神社文
書」については、一九九七年度〜二〇〇二年度にかけて京都府教育委員会が、
一九四五年(昭和二〇)以前の文書の網羅的調査を実施し、目録を刊行して
いる(『京都府古文書調査報告書第十四集 賀茂別雷神社文書目録』京都府
教育委員会 二〇〇三年三月)。今回の撮影は、この調査によって北土蔵一
階であらたに確認された約三〇〇〇通の文書をなかに含む、土蔵保管の算用
状類のうち、「算用状一般」と分類整理されている文書の中世部分を中心に
撮影を行った。内容は、神事算用状・職中恒例遣方算用状・惣中恒例引付・
錯乱方職中算用状・指副方職中算用状など、職中算用状を補うものである。
なおこの撮影は、科学研究費補助金による基盤研究B「中近世移行期におけ
る賀茂別雷神社および京都地域の政治的・構造的分析研究」(研究代表者 
野田泰三〈京都光華女子大学〉)の活動の一環として行っているものである。

(及川 亘・金子 拓・鴨川達夫・高島晶彦・高山さやか・谷 昭佳・高橋敏子)

『東京大学史料編纂所報』第46号