中国第一歴史档案館所在日本関係档案の調査

中国第一歴史档案館との覚書にもとづき、同館が所蔵する日本関係档案の
デジタル撮影と目録化に取り組み二年目を迎えた。今年度は二回の出張調査
を行い、史料収集を進めるとともに研究交流をおこなった。いずれも、本所
画像史料解析センター共同研究員で中国科学院自然科学史研究所の黄栄光研
究員の協力を得た。
 二〇〇七年十一月四日~六日、北京市故宮内の中国第一歴史档案館を訪問
し、新館長となった鄒愛蓮氏とプロジェクトの進捗について会談した。横山
伊徳所長・保谷徹が参加した。この結果、今年度のプロジェクト遂行を確
認するとともに、日本関係档案目録の翻訳・刊行、史料編纂所の調査団受入
れについて合意した。
 二〇〇八年三月二日~五日、久留島典子副所長を団長に北京市故宮内の中
国第一歴史档案館に出張した。参加者はほかに、石川徹也・榎原雅治・山本
博文・鶴田啓・保谷徹・松井洋子・小宮木代良・箱石大・小野将・
木村直樹・黒嶋敏・西田友広・稲田奈津子・須田牧子・遠藤珠紀の計十六
名である。なお現地で、本学大学院の彭浩氏と合流し、通訳等をお願いした。
 中国第一歴史档案館では、黄栄光氏の協力も得て、プロジェクトの進捗に
ついて意見を交換し、今年度分の成果として朱批奏請六七三点の目録と一〇
七六点の撮影データを受け取った。
 また、档案館側の配慮により、档案保存・修復の現状や保存庫の状況など
を見学、研究交流を深めた。とくに皇帝の宝訓・実録を収めるために嘉靖年
間に建設された皇史■の見学を許され、また档案館側の案内で清東陵を見学
することが出来た。
 このほか、北京市首都博物館・中国人民革命軍事博物館・中国人民抗日戦
争記念館などを見学する機会を得た。
(久留島典子・石川徹也・榎原雅治・山本博文・鶴田啓・保谷徹・松井洋子・小宮木代良・箱石大・小野将・木村直樹・黒嶋敏・西田友広・稲田奈津子・須田牧子・遠藤珠紀)

『東京大学史料編纂所報』第43号