丹波市教育委員会所蔵史料の調査・撮影

二〇〇七年九月一九日から二〇日にかけ、兵庫県丹波市を訪れ『信長記』
関係史料の調査・撮影を行った。参加者は、金子・黒嶋ほか、科学研究費基
盤研究(C)「「信長記」諸本の史料学的研究」の研究分担者堀新、研究協力者
桐野作人・矢部健太郎・和田裕弘である。
 一九日は丹波市立植野美術館にて同市教育委員会所蔵の「津田讓岳蒐集文
化財」を調査した。蒐集者津田氏は丹波柏原藩織田家の家臣末裔。津田氏が
所蔵していた藩主織田家関係の文書・系図など一四七点を昭和四七年氷上町
(現丹波市)が購入したもので、現在全点同美術館に保管されている。撮影
史料は左記のとおり。( )内の目録番号は氷上町文化財審議委員会編『氷
上町有津田讓岳蒐集文化財目録』(一九七二年一〇月)のもの。
一、八月十四日織田信長書状(62)                一通
一、(天正二年)九月三十日織田信長朱印状(61)         一通
一、九月二十日加藤清正書状(63)                一通
一、『信長記』写本(22)※本来外題なし             八冊
一、織田氏系譜(10)                      一巻
一、織田氏系譜(12)                      三冊
一、摠見記(23)※板本                    一二冊
一、織田氏系図(11)                      一巻
 二〇日は、丹波市立柏原歴史民俗資料館において、同館所蔵史料の調査を
行った。こちらは前記「津田讓岳蒐集文化財」とは別に、柏原町(現丹波市)
の所蔵史料として伝来した藩主織田家関係史料である。撮影史料は左記のと
おり。
一、織田家御系図                        一巻
一、天正十五年十一月十九日織田信雄位記写            一巻
一、御系図案紙                         一冊
一、御家門略御系図                       一冊
一、系譜                            一冊
一、御景図                           一冊
 このほか『織田真紀』(板本)の調査と、デジタルカメラによる撮影を行っ
た。
 所蔵史料調査のご許可をいただいた丹波市教育委員会、両日にわたり調査
の便宜をお計りいただいた丹波市教育委員会高雄由紀子氏、また同徳原多喜
雄氏、植野記念美術館長藤原正彦氏に深く感謝申し上げたい。
                              (金子拓・黒嶋敏)

『東京大学史料編纂所報』第43号