東大寺開田図等(正倉院宝物)の調査

二〇〇六年一〇月一八~一九日、宮内庁正倉院事務所(奈良県奈良市雑司
町)の西宝庫・前室において、正倉院宝物の東大寺開田図等五点
        越前国足羽郡道守村開田地図(天平神護二年)
        東大寺山堺四至図(天平勝宝八歳)
        阿波国名方郡新島荘絵図(天平宝字二年)
                         (東南院文書第三櫃第二五巻)
        阿波国名方郡大豆処絵図(同)
        摂津国島上郡水無瀬荘(枚方)絵図(天平勝宝八歳)(同・第三櫃
        第三三巻)
について、『日本荘園絵図聚影』釈文編一・古代(二〇〇七年度刊行)編纂
のための原本調査を行った。
本年度の調査をもって、一昨年度より三年間に及んだ東大寺開田図等二一
図の原本調査が終了したことから、一月二三日に正倉院事務所に出張し、調
査所見の整理と確認のための打ち合わせを実施した。打ち合わせには、正倉
院事務所保存課長杉本一樹氏、同調査室飯田剛彦氏にお立会いいただき、本
所から画像史料解析センター共同研究員・吉川真司氏(京都大学)及び石上
英一・山口・稲田が参加した。
調査の許可を与えられ、種々の便宜をお図りいただいた宮内庁及び正倉院
事務所に深甚の謝意を表する。

                        (山口英男・稲田奈津子・村岡ゆかり)

『東京大学史料編纂所報』第42号