岩手県立図書館・岩手大学図書館所蔵史料の調査・撮影

二〇〇六年八月一〇日から一一日にかけ、岩手県立図書館・岩手大学図書
館に出張し、各館所蔵史料の調査・撮影を行った。
岩手県立図書館では、同館新渡戸文庫所蔵『宝翰類聚』乾・坤二冊を撮影
した。『宝翰類聚』は盛岡藩南部氏に関係する古文書集であり、南部家およ
びその一族・家臣、領内寺院などに伝来した文書、藩主の詠んだ和歌などが
収められている。原本は知られておらず、江戸時代にさかのぼる写本も現在
この新渡戸本のみしか確認できない。新渡戸本は江戸時代末期万延二年(一
八六一)に書写されたものである。
『宝翰類聚』所収の文書一七五通と詠歌四〇首は、すべて『青森県史』資
料編中世1(青森県、二〇〇四年)にて翻刻紹介されているので、詳細は同
書をご参照いただきたい。右の記述は同書収録の『宝翰類聚』解題(柳原敏
昭氏執筆)に拠った。
岩手大学図書館では、同館所蔵『浜田文書』を撮影した。本文書は二〇〇
三年度にすでに一度撮影を行っているが、写真に一部不鮮明な箇所があり、
岩手県立図書館出張を機に、あらためて全点を撮影し直した。全点の目録に
ついては、所報三九号(五七頁以下)に掲載しているのでご参照いただきた
い。
調査・撮影にあたっては、岩手県立図書館・岩手大学図書館関係各位のご
高配に預かった。記して謝意を申し上げたい。

                              (遠藤基郎・金子拓)

『東京大学史料編纂所報』第42号