52.島根県益田市所蔵安富家文書・山口県萩博物館所蔵文書・阿武郡阿東町市原家文書等の調査・撮影

A島根県益田市所蔵安富家文書・益田市堀氏所蔵文書の調査・撮影
 二○○六年三月二○日、島根県益田市に出張し、益田市所蔵安富家文書、および堀氏所蔵文書について調査・撮影を行った。安富家文書は、益田氏の一族である安富氏に伝来した文書で、二○○四年三月に益田市が購入したものである。全体は一五通からなり、そのなかには、南北町期における益田氏一族安富氏や丸毛氏の動向を示す未紹介文書なども含まれている。また堀氏所蔵文書については、戦国期の益田藤兼と出雲との関係をあらわす藤兼書状、毛利隆元書状の調査・撮影を行った。
B山口県萩博物館所蔵文書・阿東町市原家文書等の調査・撮影
 同年三月二一日、山口県萩市の萩市立萩博物館に出張し、同館館蔵中世文書の調査・撮影を行った。調査撮影を行った文書は①周布家文書、②大井八幡宮文書、③小幡家文書a、④小幡家文書b、⑤桂家文書、⑥坂家文書、⑦善福寺文書、⑧三上家文書であり、このうち①以外は『山口県史史料編 中世3』に「萩市郷土博物館蔵文書」として紹介されている。
 また、三月二二日には、同県阿東町に出張し、市原家文書等の調査・撮影を行った。同家文書についても、『山口県史史料編 中世3』において紹介されている。
 なお、調査をお許しいただいた各文書所蔵者の方々に感謝申し上げるとともに、ご助力を得た益田市教育委員会木原 光氏、同松本美樹氏、萩博物館副館長樋口尚樹氏に謝意を表する。

(井上 聡・久留島典子・西田友広・村井祐樹)

『東京大学史料編纂所報』第41号