64 柳川古文書館収蔵大友文書・立花家文書及び八代市立博物館寄託松井文書の調査・撮影

二〇〇四年九月二十一日~同二十三日、福岡県柳川市の柳川古文書館および熊本県八代市の八代市立博物館未来の森ミュージアムへ出張した。
 柳川古文書館では、同館収蔵の大友文書・立花家文書(株式会社御花所蔵)のうち、豊臣秀吉・同秀次・徳川家康・同秀忠・同家光の御内書等二十七点について、紙の厚さ・質量・簀の目幅・糸目幅等の計測とデジタル顕微鏡写真による繊維等の撮影を行った。本文書は、二〇〇一年度にもデジタル画像による撮影等を行っていたが、今回はさらに調査方法を厳密化し、繊維拡大写真の撮影も行った。八代市立博物館では、同館寄託の松井文書(財団法人松井文庫所蔵)のうち、近世初期武家文書二〇数通について柳川同様の調査・デジタル撮影を行った。以上の調査は、科学研究費特別推進研究「前近代日本史料の構造と情報資源化の研究」(代表石上英一)による小研究「原本史料の形態的情報に関する研究」による一連の研究の一環として行った。調査方法、成果等の詳細については同研究の報告書も参照されたい。
 調査にあたっては両館の御世話になり、株式会社御花と財団法人松井文庫には調査・撮影の御許可をいただいた。記して感謝申しあげる。

(佐藤孝之・小宮木代良・鴨川達夫・山口和夫)

『東京大学史料編纂所報』第40号