32.毘沙門堂所蔵史料の調査・撮影

二〇〇四年二月十二・十三の両日、毘沙門堂(京都市山科区安朱稲荷町)に出張し、同門跡所蔵の史料について、学習院大学史料館と共同で調査を実施した。
 本所では、毘沙門堂所蔵史料について、明治年間に若干の採訪を行ったものの、本格的な調査は未着手であった。同門跡に『洞院公定公記』(京都国立博物館寄託)が伝来することは著名だが、同記は本来、洞院・中院家旧蔵の『革暦類』の紙背として伝存したものである。そして、それと一具の『革暦類』八巻は、同門跡に現蔵されているのである。今回、この『革暦類』や、近世前期における門主充ての宸翰等の撮影を行った。撮影目録については、二〇〇四年度中の調査の結果と併せて次号に掲載する予定である。
 また、十四日には、真如寺(京都市北区等持院北町)に赴き、二〇〇四年度中に実施する調査・撮影について打ち合わせを行った。

                    (山家浩樹・渡邉正男・末柄 豊)

『東京大学史料編纂所報』第39号