26.福智院家文書の調査・撮影

二〇〇三年九月、〇四年一月、三月の三度にわたって、京都府立大学(京都市左京区下鴨半木町)に出張し、同学文学部助教授上島享氏およびお茶の水女子大学文教育学部教授安田次郎氏と共同で、同市在住山田伸彦氏の所蔵する福智院家文書について調査を行い、その一部について撮影を行った。
 山田氏所蔵の福智院家文書は、花園大学福智院家文書研究会編『福智院家古文書』(花園大学、一九七九年三月)によって世に知られるに至ったが、これは一部に過ぎず、科学研究費研究成果報告書『興福寺旧蔵史料の所在調査・目録作成および研究』(研究代表者上島享、二〇〇二年三月)によって初めて全体の日録が提示されるに至ったものである。その写真については、花園大学が撮影済みであり、本所においても、山田氏および同学のご許可を得て、ほとんどが近世文書である第八箱を除き、約四千枚に及ぶその焼き付けを購入してある。今回撮影したものの中心は、花園大学が撮影していない袋綴冊子装の記録の紙背文書である。撮影目録は以下の通り。
(中略)
                          (井上 聡・高島晶彦・保立道久・前川祐一郎・末柄 豊)

『東京大学史料編纂所報』第39号