1.浜田文書の撮影

二〇〇四年二月、岩手大学附属図書館において、同館所蔵浜田文書の撮影を行った。浜田氏は、関東御家人千葉氏の流れを汲む、陸奥気仙郡(現在岩手県)の領主の末裔。戦国末は葛西氏に属し、秀吉による葛西家取りつぶし後は、盛岡南部家に抱えられた。その一族である浜田彦兵衛は、大槌代官となった。三陸沿岸である大槌は、海運・漁業の地であるとともに、金の産出地に隣接することもあり、その関連史料がある。また室町将軍家からの一字拝領に関する細川氏発給文書があるが、本来葛西氏に伝来するべきものである。これらは、葛西遺臣というゆかりで、後世に入ったものであろう。なお中世文書については『石巻の歴史』に翻刻済みである。以下概ね編年順に簡略目録を示す。
(中略)
                         (金子 拓・遠藤基郎)

『東京大学史料編纂所報』第39号