57.鹿児島県における奄美諸島史料の調査

調査を行った。八日は、奄美大島に渡り、奄美群島歴史資料調査事業事務局(名瀬市博物館内)児玉永伯氏の案内で、一六〇九年の島津軍の琉球侵攻の際の軍船の停泊地となった奄美大島笠利湾内の津代湊(笠利町赤木名)・深江か浦(同芦花部)の現地調査を行い、名瀬市博物館で奄美群島歴史資料調査の状況の説明を受けた。九日は名瀬市博物館資料室で奄美諸島史料の調査を行い、また鹿児島県立図書館奄美分館で奄美諸島の系図史料の調査を行った。奄美分館では、徳之島の前里系図(『奄美大島諸家系譜集』所収宝満系図の系統のもの)の複写本を調査した。一〇日は鹿児島市に移動し、鹿児島大学附属図書館で、一六〇九年の島津軍の琉球侵攻の基本史料である「琉球渡海日々記」玉里家文庫本の調査を行った。この調査は、特別推進研究(COE)「前近代目本史料の構造と情報資源化の研究」によるものである。

                               (石上英一)

『東京大学史料編纂所報』第38号