54.大村市立史料館の「松田毅一南蛮文庫」の調査

二〇〇二年七月十六日から十七日にかけての二日間、大村市立史料館の「松田毅一南蛮文庫」の調査に当たった。キリシタン史並びに南蛮学の研究者であった故松田毅一博士の蔵書と研究史料の一部(コピー)が遺族から同史料館に寄贈されたのは二〇〇〇年(平成十二)である。同史料館は、松田毅一博士が生前に作成した目録に準拠して『松田毅一南蛮文庫目録』(平成十二年、大村市教育委員会)を発刊し、閲覧室の一部を区切って書庫とし、蔵書と史料集を架蔵している。調査の対象は、主として欧文史料(写真複製)と欧文の出版物と雑誌であった。本所が所有していないイエズス会トレド管区(スペイン、アルカラ・デ・エナレス所在)文書館所蔵の文書について、コピーによる複製を大村市立史料館のご好意によって入手することが出来た。この他に、ポルトガルのコインブラ大学文書館所蔵文書及びマドリード王宮図書館所蔵文書のコピーをも入手した。さらに 『松田毅一南蛮文庫目録』(二六〇頁)もコピーすることが出来た。

                         (浅見雅一・五野井隆史)

『東京大学史料編纂所報』第38号