京都大学総合博物館所蔵狩野亨吉氏蒐集古文書の調査

一九九八年七月八〜一〇日、京都大学総合博物館(京都市)に出張し、狩野亨吉氏蒐集古文書のうち平安前期関係史料を中心に九五点を調査した。史料編纂所所蔵影写本「狩野亨吉氏蒐集古文書」は、紙背の影写漏れ、折紙を横切紙状に写しているなど、形態模写の不正確さなどがある。また、史料名も、実物を点検しないと命名できないものがある。そこで、実物の調査を行った。なお、総合博物館の増築工事計画の関係で、その後の補足調査等ができない状況であるので、調査の成果は、機会を改めて紹介する。影写本「狩野亨吉氏蒐集古文書」と京都大学文学部古文書室編「狩野亨吉氏蒐集文書目録」の対照は岡本有香が行った。調査には、史料編纂所リサーチアシスタント須原祥二氏の参加を得た。また、京都大学文学部古文書室助手有坂道子氏より閲覧について格別のご配慮を得た。
                            (石上英一・山口英男)

『東京大学史料編纂所報』第34号