北蝦夷地関係幕末外国関係文書編纂史料調査・蒐集
維新史料室では、九三年十一月八日〜十一月十二日に札幌に出張し、一昨年の函館に引き続き、北海道関係幕末維新期史料の調査撮影を行った。既に、七五年の北海道出張によって、箱館奉行所関係の史料の主要な部分は撮影が完了している。今回は、箱館での渉外史料と安政六年のサハリン雑居決定以降の北蝦夷地関係史料とを中心に、道立文書館(旧北海道庁行政資料課の史料を引継)・北海道大学付属図書館北方資料室・北海道立図書館の関係史料を撮影した。
一、北海道立文書館
北海道庁内に設けられた道立文書館は、今回の採訪の中心である。同館所蔵史料は、北海道庁に伝来した、旧箱館奉行所史料をそのまま引継いだ史料と、史料を編纂して別の資料に組み替えたもの(開拓使時代と北海道時代の編纂とがある)とがあり、後者は表題と内容が一致しない場合がある。ここでの表題は『北海道所蔵史料目録』に記載されたものを採録した。また、幕末維新期の原史料(史料番号一七二迄)に関しては、既に同館から『北海道所蔵公文書件名目録』�—�が公刊されており、詳細な解題はそれによられたい。また、公刊されていないが、件名目録が作成されているものについては、今回の採訪においてこの目録もあわせて撮影した。
『東京大学史料編纂所報』第29号