日本荘園絵図聚影三 近畿二

『日本荘園絵図聚影』は、現存する中世以前の主要な荘園絵図及び地域を描いた絵図・指図類を、国別にコロタイプ版及び多色オフセット版で刊行するものである。全体を五冊分とし、第一冊を東日本、第二冊を近畿一(山城)、第三冊を近畿二(大和)、第四冊を近畿三、第五冊を西日本とすることを予定しており、今回はその第三冊を刊行した。
 荘園絵図は各地に分散して所蔵されているが、原本もしくは、現存する最良の写本について、調査し、大型写真(8×10インチ判以上)撮影を行い、これをA3変型判(三〇×四〇糎)ないし倍判の図版とし、端裏書及び裏書は同一縮尺で対応箇所に配した。大型の図については文字が判読できるように分割し、着色のものについては、カラーを収載した。また利用の便を考慮し、シートのままで帙に収めることにした。各絵図の配列は、現地の位置により概ね東北より西南に向かう順とし、同一地域内では書写年代順とした。現存の各絵図について、その書写の時代を推定し、奈良時代、鎌倉時代などと記し、絵図中に見えるその成立に関わる年紀を「」内に記した。法量は、図版の向きに従って縦×横の順に記した。
 本冊に収載した絵図は以下のとおりである。

『東京大学史料編纂所報』第23号 p.50*-51