「花押かがみ」四 鎌倉時代三

本冊には既刊の三冊に引続き、死没年月日順に徳治元年より元弘三年までの人物の花押を収めた。本冊を以て鎌倉時代までの分が一応完結したことになり、総数二九九四名となった。
 編纂の体例は既刊第一冊と同様であるが、収載にあたっては、その人物の花押を代表する形のものを選び、花押の形に変化のある場合や、互に参照して運筆の順をうかがうことのできる場合は、必要に応じていくつかの花押を掲げた。伝記資料としての観点から掲載したものもある。
 末尾に、鎌倉時代までの分が完結したのを機に、索引と正誤表を付した。なお、「花押かがみ」を「花押彙纂」の中から主要なものを選んだ普及版のように、誤解している向きもあるが、「花押彙纂」は「大日本史料」に収録するために影写によって集めた編纂材料であり、本書の親版にあたるものではないことを付記する。
(例言二頁、目次二頁、本文二一八頁、索引二四頁、正誤表四頁、価二、八○○円)
担当者 皆川完一・林 譲

『東京大学史料編纂所報』第20号 p.64*