大日本古記録「言経卿記五」

言経卿記は、権中納言山科言経(ときつね)(天文十二年 一五四三 〜慶長十六年 一六一一)の日記である。「陽波」「逝波」「浮意記」等の原題を備えているが、一般には「言経卿記」の統名で呼ばれる。天正四年(一五七六)より慶長十三年(一六〇八)までの約三十年間にわたる言経自筆の原本三十五冊が本所に架蔵されているが、中間にかなりの欠年月がある。しかし、これらの欠年月を補うべき伝本は全く見られない。その現存の原本の年紀を表示すれば、次のとおりである。(欠年月の部分が本来書かれなかったものか、後に散佚したものか、詳かでない)

『東京大学史料編纂所報』第2号 p.42**-43