長崎市立博物館所蔵史料の調査・撮影

一九八二年十一月二十九日より十二月四日まで、長崎市立博物館(長崎市出島町九—二二)において同館所蔵史料の調査と撮影を行った。
 今回の調査は、一九八〇年十月の第一回調査以来毎年継続して行って来た長崎関係史料の体系的採訪調査計画による第三回目の調査である。従来二回の調査では、同館所蔵の特殊蒐書、長崎聖堂文庫の史料と、同館の一般蒐書と、並行して調査採訪を進め、昨年度は特に一般蒐書の採訪を主として作業を行ったため、この分野における長崎の支配関係、市政関係、貿易制度等に関する主要な史料は大略採訪することが出来た。しかし、一般蒐書の分野にも、なお調査採訪すべき史料が残されており、今回は前年に引続いて一般蒐書の分野を中心に調査・撮影を行った。その結果、同館所蔵の一般蒐書の分野では(幕藩制下の貿易都市長崎の歴史的性格を解明するという、この体系的調査計画の問題意識との関連に限定されるが)、採訪計画の一応の目的を達する段階に到達した。なお、今回の調査では、長崎聖堂文庫の史料のうち、第一回の調査(一九八〇年十月)では、時間的に調査撮影出来なかった部分について調査を行い、一部撮影に著手した。これは次年度以降引き続いて行われる予定である。以下に今回撮影した史料の目録を掲げるが、長崎聖堂文庫の史料に関しては、整理の都合上、また特殊蒐書としての性格上、未撮影の文書記録類との全体的な構成を考慮して、次年度以降の調査報告書に併せ紹介するつもりである。
 今回の調査に際して、多大の便宜を賜わった館長杉村邦夫氏と学芸員原田博二氏の御好意に感謝すとともに、我々の調査・撮影を快く許可された長崎市教育委員会はじめ関係当局に感謝の意を捧げる。
 撮影史料目録
  撮影史料は同館発行の『志(資)料目録』(一九四八・五一・五三・六八年刊)の分類番号順に排列したが、そのご番号の変更されたものは現行の番号に従い、※印を附してこれを示した。史料名も原則として『目録』に従ったが、一部変更したものもある。〔〕内の漢数字は『目録』の分類区分番号を、史料名に頭書した算用数字は、右の分類区分内の整理番号であり、この両者を組合せたものが請求番号である。

『東京大学史料編纂所報』第18号