「花押かがみ」二鎌倉時代一

本冊には、死歿年月日順に文治元年より宝治二年までの人物の花押を収めた。
 編纂の体例は既刊第一冊と同様であるが、収載にあたっては、その人物の花押を代表する形のものを選び、花押の形に変化のある場合や、互に参照して運筆の順をうかがうことのできる場合は、必要に応じていくつかの花押を掲げた。花押の図版は原寸大とし、依拠する文書・典籍等の名を掲げ、各人の略伝も付記した。
 花押の配列を年代順としたのは、年代の判明する花押については、その付近の年代の花押を検索すればよいという利点を考えてのことである。特定の人物の花押を調べるためには索引にたよるのが便利であるが、鎌倉時代は全三冊を予定し、その最後に索引を付する計画である。
 本冊に花押が収載された著名人物を列挙すると、
 天皇・皇族

『東京大学史料編纂所報』第16号 p.24*