第二部
東京大学史料編纂所のあゆみ
ちょうど200年前の享和元(1801)年、和学講談所の塙保己一は六国史以降の史料編纂を幕府に建議しました。この事業は未完のまま、明治政府に引き継がれ、明治2(1869)年、明治天皇は三条実美に修史事業を命じ、これが史料編纂所の出発点となりました。その後、事業は帝国大学(現在の東京大学)に移管され、現在のような研究編纂のかたちは明治28(1895)年にでき、明治34(1901)年、最初の『大日本史料』『大日本古文書』の発刊にいたります。
このコーナーでは、東京大学史料編纂所のあゆみをご紹介し、史料の研究や編纂というものがどのようなものであるか、わかりやすく展示します。
また、東博模本の洛中洛外図屏風の復元模写が展示されるほか、修補・修復、影写、模写など、貴重な史料の収集と保存にあたる専門技術の粋をお見せします。
主な展示品

明治天皇御沙汰書 1869(明治2)年
明治天皇が輔相三条実美に修史を命じた自筆沙汰書です。
これが史料編纂所の出発点となりました。

『大日本史料』活字組版
修史事業は帝国大学へ移管され、正史編纂ではなく、
歴史史料の収集と研究、編纂事業がはじまりました。
1901年から『大日本史料』や『大日本古文書』の出版がはじまり、
今年で100周年となりました。
展示予定品リスト ◎は重要文化財
宇多天皇事記
塙史料残稿(後朱雀天皇事記)
明治天皇宸翰御沙汰書
修史館職制
ゼルフィー書簡
ゼルフィー『The Science of History(史学)』
ゼルフィー『史学』(訳本)
ゼルフィー『史学』抄訳並びに重野安繹注
「大日本編年史」(巻頭)
『大日本編年史』印刷見本
「神道は祭天の古俗」(史学雑誌と史海)
史料稿本(修史館時代・内閣修史局時代・帝国大学移管後)
田中義成・明治三十四年日記
『大日本史料』第九編之十五(活字組版)
『大日本古文書』(編年文書一)原稿
史料蒐集復命書
史料蒐集目録
影写本(向井文書)
洛中洛外図模本(復元模写)
◎ 和歌真字序集和歌真字序集紙背文書(影写)
地蔵菩薩像 像内納入文書影写とその過程
慈鎮和尚夢想記修補過程
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