東京大学史料編纂所

研究種目名 基盤研究(C)
研究課題名 『大内裏図考証』の典拠史料分析と全体像の解明(25370763)
研究期間 2013年度~2015年度
研究代表者 吉田 早苗
研究目的 本研究の目的は以下の通りである。まず室町後期・織豊期の古記録の所在 (原本・写本)を追い、その記録時期を通観できるようにする。特に重要な ものについては、史料的性格を明らかにし、翻刻・フルテキストデータ作成 などの歴史情報資源化を行い、さらにこれらを研究資源として有効活用でき るようにする。その上で、当該期の政治史・制度史などに就き実証的再検討 を行うことを目的としたものである。
研究実績の概要
  • 2014年度
  • 2013年度
【2014年度】
まず固禅が一応の完成形とした正編(献上本)の体裁について検討した。 『考証』執筆中の一七八八年に内裏焼亡があり、主要な殿舎について固禅の 説を取り入れて平安内裏を復元した新造内裏が完成した後、『考証』正編三 〇巻五〇冊を朝廷に献上された。『考証』の構造が明確な本は、現在宮内庁 書陵部に所蔵される献上本のみである。献上本の体裁を分析した結果、項目 や典拠史料の書出しの高さを変えることにより、包括的な大項目から細分化 された項目まで内容における階層を示していると考えられ、典拠史料データ ベースにおける位置情報のデータとして反映させた。
前年度より入力を開始した同データベースでは、利用の便宜を考慮し、刊 本(『新訂増補故実叢書』)の頁データおよび刊本に収載された続編と内藤広 前による追加も収めた。今年度中に総計約一六、六〇〇件(正編約一三、九 〇〇件、続編約一、八〇〇件、追加約九〇〇件)のデータ化が完了した。そ の結果と固禅による稿本の作成状況・東京大学史料編纂所所蔵「裏松家史料」 の分析などにより、彼が内裏再建直後から『考証』の全体像を見据えて必要 な典拠史料の蒐集を本格化し、それらの新収史料を適切に配置して正編を完 成させたことを明らかにした。また典拠史料データベースは今後公開し学界 に資する予定である。
備考